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若者の「心の病」がわかる本
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くらし
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第3章 エディプスなき社会の家庭内暴力

『若者の「心の病」がわかる本』
[著]町沢静夫 [発行]PHP研究所


読了目安時間:13分
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日本における家庭内暴力


 家庭内暴力という言葉は、もはや日本中の誰でもが知っている用語になった。家庭内暴力とは国際的には通常、親の子供に対する家庭内での暴力を意味するものである。

 しかし日本では、主に子供が母親に暴力を振るうことを指す。世界と日本のこの違いは文化的背景の違い、あるいは家族形態や家族関係の違いを如実に表しているものと思われる。

 私もある国際学会で「日本における家庭内暴力」というテーマで発表した時、多くの外国人は子供が親に暴力を振るうということに、大きなショックを受けたようである。そもそも養育を受けている子供なのに、なぜ大人の母親に暴力が振るえるのかということを質問されたが、私も簡単には答えることができなかった。このへんを十分に考えるならば、日本の文化や家族はどういう形になっているのかが、逆に照らし出される問題点だと思われる。

 家庭内暴力を初めて公に発表したのは、一九八一年の総理府の「青少年白書」である。それによると、一九六〇年頃から家庭内暴力が起こり始めているという。つまりは、高度成長期の開始と共に家庭内暴力が起こり、今なお少しずつ増えているように思う。

 日本では、家庭内暴力が起こったとしても、あまり警察に届けることはないので、警察が把握した家庭内暴力の件数は、大して当てにならないといってよいだろう。警察に届けられたものは、相当激しい家庭内暴力と考えられる。そのデータは総理府から発表されている。一九九二年、警察が把握した家庭内暴力の少年は七五七名となっており、そのうち母親への暴力が五九・四%、父親への暴力は一三・五%、兄弟・姉妹に対しては四・六%、同居の親族一二・三%、家財道具など九・八%、その他〇・四%となっている。また平成十(一九九八)年は一〇〇〇件が警察に認知され、その数は確実に増えている。

 この数は明らかに少ないと私は思っている。私のような精神科医ですら、毎年一〇件以上扱っており、それを考えるならば、ここに出てくる数字が日本の家庭内暴力の実態だとは、およそ考えられるものではない。

父親不在の家庭


 このように高度成長期と共に発生したことについて、第一の理由は、父親が会社にそのほとんどの時間をとられ、家庭での役割が薄くなったことが挙げられるだろう。
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