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若者の「心の病」がわかる本
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くらし
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第5章 アイデンティティ・クライシスの時代

『若者の「心の病」がわかる本』
[著]町沢静夫 [発行]PHP研究所


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自分がどんな人間なのかわからない


 現代青少年の生き方が、個人主義がますます強まり、感覚的、享楽的方向に進んでいるのは明らかである。それは、戦前の国家主義的、あるいは儒教制度、さらに家父長制度といったものに対する反動であり、自由で自分中心の生き方を目指そうとしている意味においては、健全な方向に進んでいるかのようにみえる。

 総理府のまとめでは、「自分の趣味を中心にのんきに暮らす」ことを望む若者たちが七〇%強となっている。しかし戦前では、「清く、正しく、社会のために暮らす」が七〇%に達するものであった。ここでも戦前と戦後の若者たちの生き方が、大きく転換したことがわかる。

 このように若者たちは、今の複雑な現代社会を生き抜いていくのに、精一杯、自己実現を目指しているともとれるのである。

 しかしながら、肯定的な面ばかりがみられるものではない。多くの青少年は、このような生き方と同時に、野心や夢を持てず、やり場のない不満や無力感に襲われ、虚無的な態度も持っている。加藤等の調査では、この無気力、虚無的態度とは、感覚的、享楽志向的態度と正の相関を持っているという。ということは、現代青少年の感覚的、享楽志向の裏側には、無力感や虚無感が密接に伴っていると考えてもいいのである。

 私自身、日本の中学生、高校生あわせて一八〇〇名の調査を一九九一年に行なっている。これは二〇項目について聞いている(次の図表2参照)。この調査によると、一番高い反応を示したのは「私は自分がどんな人間なのかわからなくてこまることがある」というものである。これは、自分のイメージがはっきりしているか、あるいは自分の目標が明確かどうか、あるいは自分に十分納得して生きているのかといった、自己同一性の問題についての質問である。この問いに対しては、三六・七%の人は自分のイメージがはっきりしないと答えている。
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