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若者の「心の病」がわかる本
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くらし
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第7章 拒食症、過食症の醒めない日々

『若者の「心の病」がわかる本』
[著]町沢静夫 [発行]PHP研究所


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食行動異常


 食行動異常は、現代女性の行き過ぎた美的感覚を如実に示しているものである。さらに親とのトラブルが原因となっていることもある。この点でも、現代の家庭崩壊と並行している病理でもある。

 食行動異常は、拒食症と過食症とに分かれている。拒食症というのは、簡単にいうならば、体重が増えることにおびえ、標準体重に達しない体重でいるために、さまざまな生理学的な異常、時には死に至ることも有り得る危険な精神障害の一つである。

 過食症というのは、過食発作がみられ、痩せたいのであるが、過食の傾向にいつも悩まされているものであり、そのため吐いたりする。利尿剤、下剤、あるいは献血といったものによって痩せようとするものの、大体、標準体重前後の動きを維持しているが、その変動は激しい。

 当然、この過食症も女性に多いものであり、食行動異常の九〇%以上を占める。しかし昨今では、中性化している男性が多いせいか、男性にも拒食症、過食症がみられつつある。

 拒食症については、昔から精神医学上の症例報告がなされている。十七世紀にすでにヨーロッパで拒食症が報告されているのである。本格的に報告されたのは、一六四九年のモートンが最初であり、過食症のほうは一八七三年といわれている。

 一般にアメリカでは、思春期の少女や若い女性全体の五〜一〇%の人々にこの食行動異常がみられるといわれている。拒食症よりも過食症のほうが一般的であり、かつ病理は拒食症ほどではなく、治療もより楽である。もっとも拒食症から過食症、そしてその逆の移行がよくみられる。

拒食症


 拒食症の診断基準というのは、まず標準体重の八五%以下の体重にまで落ちても、なおかつ自分が痩せているという認知を示さないことである。そして女性であれば生理がなく、しかも生理のないのをほとんどの人が気にしていない。特に問題になるのは、痩せていてもそれを痩せていると認めない、というこの知覚の異常さである。

 だいたい発生するのは思春期、つまり生理が始まる頃から見られるものである。そして拒食症が本格的に始まる前に、すでに皮膚の艶を失い、脈が速くなり、便秘がひどかったり、さらにまた体温が低くなり、筋肉の虚弱さが目立つのである。しかしその割にはフィットネスやエアロビクス、バレエ、その他のスポーツに夢中になってしまうというのも奇妙な特徴である。

 またこの拒食症の人たちというのは、食べ物に非常にこだわりを示し、どのような食べ物が自分の好みであるかということを、強迫的に追求するのである。彼女らは概して、料理の本から食事を作ることに興味を持ち、実際に料理がうまい人が多いものである。また仕事についても、食べ物関係、例えばグルメ的レストランに勤める、あるいはパン屋さんに勤めるといった、食べ物関係の仕事やバイトに就いていることも多い。

 食べなくてもお腹が空かないのか、ということに関しては、初めのうちは、食べないでいると苦しいと訴える。しかし食べるともっと苦しい、ということで、食べないでいることを我慢するのである。やがて、食べないことが快楽になってしまう、とすら見受けられる。実際にそのようにいう患者も多い。この場合、脳内エンドルフィンが増加しているという。

 また彼らには、自分が決めた規則に完全に従わなければ納得できない、という完全癖も極めて多い。

 この病気は、アメリカや日本、ヨーロッパといった先進国に主に見られるものであり、発展途上国ではおよそ見かけない。豊かであるがゆえの心の悩み、心の苦しみを典型的に示しているのが、この拒食症であり過食症であるといっていいであろう。
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