読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-2
kiji
0
0
1245760
0
若者の「心の病」がわかる本
2
0
0
0
0
0
0
くらし
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第10章 大震災とストレス、そして子供たち

『若者の「心の病」がわかる本』
[著]町沢静夫 [発行]PHP研究所


読了目安時間:9分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


分離不安、広場恐怖症、心因性健忘etc……


 私は平成七(一九九五)年二月十九日から二十二日まで神戸市の教育委員会の招きで、精神科医として震災後の心のケアを依頼された。神戸の震災後の精神障害の実態は、つい最近まとめられ、発表されている。

 私が受けた心のケアの電話からすると、一番多いのはやはり子供の分離不安であった。母親にくっついて離れなくなってしまったというのである。母親が動くと離れようとせず、一緒にどこまでもついて行ってしまう、あるいは子供が一人で外に出られなくなってしまったり、夜、母親が子供を寝かそうとしても三時、四時まで眠ってくれない、おもらしをする、といったような子供(中学生まで見られた)の分離不安を中心とした相談が多かった。

 続いて思春期の子供たちからは、外の群衆の中に出るのがこわいという広場恐怖症、あるいは玄関のカギやガスの栓をいくらきちんと閉めても閉めた気がしないという強迫性障害などが見られ、さらにまたたくさんの死体が毛布にくるまれて運ばれたのを見ていたために、毛布をこわがり毛布を見ると不安発作を起こしてしまう少女もいた。

 また不眠症は全体に極めて多くみられた。さらにさまざまな身体の痛みを訴える身体化障害、稀なものとしては、心因性健忘といってストレスのあった時の記憶のみならず、今でも外に出ると記憶が失われ、自分の名前も住所も失念してしまうという既婚の女性もいた。したがって精神科の症状として、必ずしも外傷後ストレス障害(PTSD)のみが見られたわけではなかった。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:3376文字/本文:4022文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次