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中・韓「反日ロビー」の実像
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政治・社会
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第7章 韓国ロビーがアメリカで幅を利かせる理由

『中・韓「反日ロビー」の実像』
[著]古森義久 [発行]PHP研究所


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アメリカの保守派大物議員が慰安婦問題で日本を非難

「日本軍による慰安婦制度というのは、おぞましい悲劇だった。だが日本政府は、まだ正しい態度をみせていない。日本軍に性的奴隷にされた不幸な女性たちの人権を真剣に考えるべきなのに、まだなにもしていない!」

 慰安婦問題での典型的な日本非難の言葉だった。日本軍が女性たちを決して強制連行していないにもかかわらず、性的奴隷だと断言する。

 2013年7月17日、ワシントンのアメリカ連邦議会の一角での集会で聞かれた言葉である。「慰安婦決議案可決6周年記念」という集まりだった。

 アメリカ下院本会議で慰安婦決議案が可決されたのは2007年7月30日である。日本にとっての汚辱の日だった。それからちょうど6年が過ぎての、改めての日本糾弾というわけである。

 冒頭の「悲劇」という表現での言葉を発したのは、やや意外な人物だった。日ごろは日米同盟の堅持を説き、日本人拉致問題でも北朝鮮を非難し、日本への支援を示す、共和党のエド・ロイス下院議員だったからだ。しかもロイスは、下院外交委員会の委員長という重鎮である。

 この集会の主役は6年前に中国ロビーに全面支援されて、この決議案の推進にあたった民主党のマイク・ホンダ下院議員だった。だが冒頭の言葉はホンダではなく、アメリカ連邦議会でも保守派とされる大物議員のロイスから発せられたのだ。

 ホンダはアメリカ議会全体でも超リベラル派とされる。そもそも日本に対して慰安婦問題とか國参拝、南京事件、戦争捕虜問題など歴史関連案件を持ち出し、日本側の「認識」がまちがっているとして叩くのは、アメリカの左派である。

 だから共和党のブッシュ前政権時代には、政権自体は國問題など、まったく提起しなかった。むしろ反対に、「日本の政治家たちは中国の圧力に屈せず、参拝を続けるべきだ」という意見さえ表明していたのだ。

 ところがオバマ政権では現職高官までが、安倍晋三首相が8月15日に國神社を参拝すればアメリカ政府としての批判の声明まで出しかねない、という姿勢をみせるようになった。共和と民主、保守とリベラルというアメリカ側の政治的なスタンスの違いによって、日本の歴史にかかわる言動をみる視線もすっかり異なってくる、ということなのだ。

 だから共和党保守のロイスが民主党リベラルのホンダと同じ日本非難を述べるというのは、奇異に響いたのである。

 ロイスは慰安婦決議案が下院で採択されてからほんの3カ月ほど後の2007年11月、日本への支援をはっきりと言明していた。当時の福田康夫首相がワシントンを訪れるのに先立ち、次のようなことを述べたのだった。
「アメリカ政府は北朝鮮をテロ支援国家リストから外そうとしているが、日本の立場を考えると、その解除は止めるべきだ。北朝鮮は日本国民を拉致して、何十年が過ぎても解放せず、釈明もしていない。このことは国家テロであり、アメリカがその北朝鮮をテロ国家ではないと宣言すれば、日本はアメリカへの態度を硬化させ、日米関係が悪化しかねない。北朝鮮への対応のために、アメリカはなぜそんなリスクを犯すのか」

 日本への支持であり、日米同盟への前向きな評価を映し出す言葉だった。ホンダ議員の日本への姿勢とは対照的である。

 しかし、そんな日米同盟強化論者のロイスが、こと慰安婦問題となると、日本叩きの側に回ってしまうのだ。これはいったいなぜなのか。

 答えは、ごく簡単にいえば、選挙区に韓国系住民が多いことだろう。

 ロイスの地元のカリフォルニア州第39区はロスアンジェルスに近く、まずアジア系住民が多く、全人口の28パーセントをも占める。そのなかでも最も多いのが韓国系なのである。第39区でも中心となるフラートン市はアメリカ全体の中級都市でも韓国系住民が全人口に対して占める比率が最大なのだ。市の人口14万ほどのうち韓国系だけで2万近く、1415パーセントに達してしまうのである。
「ロイス議員はもう下院に11回も連続当選を重ねてきたが、その支援母体の中核は韓国系住民なのだ。日本の慰安婦問題を追及するというのはロイス議員本人の本来の政治姿勢にそぐわないようなのだが、韓国系住民の一部にプッシュされて、この慰安婦問題だけは日本政府を非難するという姿勢に変わるのだ。単なる支持者たちからの特定の要請に応じた結果と考えてよいだろう」

 ワシントンの連邦議会で働いた経験もある韓国系アメリカ人の研究者が解説してくれた。地元の有権者からの特定案件についての強い圧力は、日ごろのイデオロギーや政治信条をも時には超える、ということだろう──。

全体図がみえにくい「韓国ロビー」勢力


 アメリカにおける韓国ロビーの存在を日本側に鋭く知らせてきた触媒のような存在は、やはりこの慰安婦問題だろう。とくに全米各地の小中都市に慰安婦の碑や像を設置しようという最近の動きは、日本側を極度に警戒させるようになった。

 いわゆる日本軍慰安婦の記念物をアメリカで建てようという動きは、2010年10月に初めて表面に出た。ニューヨークに近いニュージャージー州のパリセイズパークという小さな都市だった。

 人口2万ほどのこの町の図書館前に、銅板を組みこんだ御影石の碑が建てられた。碑には「日本帝国政府の軍隊によって拉致された20万人以上の女性と少女」のために「人道に対する罪を決して忘れないように」などという記述が刻まれていた。慰安婦の碑だった。碑文は事実に反するプロパガンダである。この碑がアメリカでの慰安婦の碑や像の第一号だった。

 そして、その後まもなく同じニュージャージー州のハッケンサック、隣のニューヨーク州のウェストバリーという、いずれも小さな自治体に同様の碑が建てられた。その後に起きたのが、これまで何度も紹介してきたカリフォルニア州グレンデールでの慰安婦像の設置だった。慰安婦碑像の運動は東部から西海岸へと広がったわけだ。

 これまでの合計は碑が3カ所、像が1カ所ということになる。この動きは明らかに、韓国ロビーと呼べる勢力が組織的に実行にあたった結果だろう。では、その勢力の実態はどうなのだろうか。

 この場合の韓国ロビーなる勢力は「反日」という特徴に限ると、その全体図がなかなか浮かんでこない。中国ロビーに比べると、組織や連帯や戦略がつかみにくいのである。表面に出た活動体に視線を向けても、いくつかの「点」がみえるだけで、「線」がはっきりしない。
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