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ホームレス・ワールドカップ日本代表の あきらめない力
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ルポ・エッセイ
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第1章 豊かな国の貧しい人たち

『ホームレス・ワールドカップ日本代表の あきらめない力』
[著]蛭間芳樹 [発行]PHP研究所


読了目安時間:13分
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ホームレスからの一言が人生を変えた

「次の土曜にサッカーするから、来る?」

 ホームレスの人から誘われたこの一言が、私の人生を変えた。

 彼は、ホームレスが販売する雑誌、『ビッグイシュー』の販売者だった。

 当時の私は、25歳、社会人1年目。ある銀行に入行し、半年も続く新人研修の真っ最中であった。

 大学・大学院で防災、危機管理、とくに都市システムとしての危機管理戦略の理論と実践を学び、強い意志を持って銀行に入行した。同期は法学部、経済学部出身がほとんどで、いかにも金融で働くための人材が集まっているように思えた。

 これまでの学生時代とは全く違うコミュニティや会社組織というシステムに期待と不安を抱いていた。


 どの会社にもある新人研修。研究室時代に要求されていた思考過程(真理や因果の追求、定量化)、知的議論(主張や価値観の違いを認めたうえでの、学術的討議と論理戦争)、問題発見と問題解決、イノベーションに向けた具体的なソリューション開発とマルチ・ステークホルダーを巻き込んだ未来志向の対話などとはかけ離れた座学の連続。

 決められたことを決められた通りに処理する義務教育の延長にある能力開発に過ぎないと思いながら、一人悶々とした社会人生活を過ごしていた。

 知識としての法律、経済、会計、財務は、形式的に勉強すれば必要最低限は習得できる。また、基礎知識のインプットは、書籍やネットで代替できる時代だ。コモディティ・スキルは必要最低限習得すればそれでよいと思っていた。講師や先生とはこれを前提とした議論がしたかった。

 なので、一方通行の座学は苦痛だった。質問しても煙を巻いた曖昧な答えしか返ってこない。しかし、研修とはそういうものだ。

 こんなモチベーションなので、理解度確認の試験や資格試験は、いつもギリギリセーフ組。直属の上司らは、このトンデモ新人が心配で気が気ではなかったと思う。

 しかし、いま振り返れば、やはり基礎は重要だ。勉強でも、仕事でも、そしてスポーツでも。いまでは、もう少ししっかり勉強していればよかったと大いに反省している。


 ある日の朝、日本経済新聞に「日本を元気にしたい人、募集!」という何ともうさんくさい広告記事が載っていた。
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