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ホームレス・ワールドカップ日本代表の あきらめない力
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ルポ・エッセイ
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第7章 俺たちにはあきらめきれないゴールがある

『ホームレス・ワールドカップ日本代表の あきらめない力』
[著]蛭間芳樹 [発行]PHP研究所


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世界最下位という結果の意味


 ワールドカップでは私も選手も試合以外の場面で多くの学びがあった。

 選手たちは、合宿時と比べて、朝食、夕食の時、全員そろうまで自然に待つようになった。また、宿泊所から大会会場までの移動は、私たちスタッフは本部でミーティングがあったため、途中から選手に任せることもあった。異国の地で、リーダー中心に選手だけで行動することができ、最後には全員、規則・時間を守って行動できるようになっていた。

 また、他国の選手らとの交流もよかった。それぞれの国の文化を紹介し合ったり、写真撮影、Tシャツやユニフォームの交換も行った。短い時間ではあったが、他国の選手との交流の中で各国の労働、経済、社会問題について情報交換をすることができた。カンボジアチームとの交流後、ある選手から「自分たちは恵まれている。頑張ろう」という言葉もあった。

 世界で得た結果は“最下位”。

 これが何を意味するのか、私は帰国後ずっと考えていた。

 選手たちは本当に頑張った。そして私たちコーチ陣やスタッフもそうだ。単にチームのサッカー能力が弱かったから試合には勝てなかった。それは事実だった。

 しかし、世界からのメッセージは別にあると私は思う。

 学術的な根拠は何もないが、野武士ジャパンプロジェクトにかかわることで、直観として思うのは、ホームレス・ワールドカップは、第一義的には選手の自立を目指した国際イベントであるが、それ以上に、社会が多様な価値観を認め、ホームレスの人たちも一人ひとりが可能性や能力を持つ社会の一員として存在することを受け入れる受容力や包摂力が、その社会にあるかどうかが問われている大会ではないかということだ。

 ただ単に社会保障関係の予算を付ければ解決できる問題ではない。社会のありよう、社会自身の豊かで多様な価値観や幸福感、それらを生み出すダイナミズムの総合力が問われているのだとも思っている。また、世界のホームレス事情で驚いたのが、実は低学歴、低スキルの人間が必ずしもホームレスではないということだった。これは、ホームレス・ワールドカップの会場で、iPadで論文を見せてくれたアメリカチームのコーチに聞いた。


 次の図は、過去10年で、どのスキル(high=プロフェッショナル・エキスパートのスキル、middle=学習すれば誰もが身につけられるルーティンスキル、low=単位時間当たりの経済的付加価値の低いスキル)の雇用に増減があったかという調査結果だ。
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