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小さな庭でも幸せガーデニング
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幸せな春花壇

『小さな庭でも幸せガーデニング』
[著]三橋理恵子 [発行]PHP研究所


読了目安時間:4分
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チューリップは春花壇の主役


 春花壇の草花たちは、日向(ひなた)ぼっこが大好き。やわらかな日差しの中、ゆらゆらと気持ちいいリズムで風に揺られながら、みんなでうたた寝を決め込んでいる。虫たちがやって来て、葉をかじったり、蜜を吸ったりするのもおかまいなし。


 朝の水やりの合図で、みんな一斉にうたたねから目を覚ます。眠ってばかりはいられない。太陽に向かって、今日も大きく背伸びをしなくては。


 そんなおだやかで(なに)()ない、春花壇の風景が私は大好き。暖かな日差しに包まれていると、気持ちもだんだん(やわ)らいで、ぎすぎすした心も、とげとげの感情も、どこかへ行ってしまいそう。アネモネに続いて、春花壇の、主役をつとめるのがチューリップ。私は毎年秋になると二〇〇球くらいの球根を、宝物を隠すみたいにして花壇に埋め込んでいく。四月になると、思い出したように巣の間から()(けい)を伸ばしはじめて、花が咲いていくのを日々眺めていると、どんなドラマよりもドラマチックに感じるから不思議。


 私は一〇~二〇球単位でいろんな品種を植えるので、()()(なか)()(おく)()と、少しずつ花期がずれ込む。おかげで、約一ヵ月間のチューリップの花を楽しむことができる。


 私の花壇では、いつもピンクのチューリップが主役。黄色や赤の球根も買うけど、これらはコンテナ用。去年もトーンの違ったいろんなピンクのチューリップを植えてみたら、ピンク色のグラデーションにそまった花壇に大満足。せっかくだから何本か切り花にして部屋に飾ってみたら、生け花のセンスのない私でも、とっても素敵にまとめることができた。

チューリップのコンテナ仕立ては、単独植えで

チューリップのコンテナ寄せのつくりかた

庭は狭くても、私にとっては何よりの宝物


 私は秋に一〇〇種類以上にも及ぶ種類のたねまきをするので、春の花壇はひときわにぎやか。黄色やアプリコット色のキンセンカ、ラークスパー、エスコルチア、クレピス(桃色たんぽぽ)、ニゲラ、カンパニュラ、クリムソンクローバー、スイトピーなどが顔を並べる。春の花はピンクや黄、紫、白といった、自己主張のそんなに強くない優しい色の花が多いから、どんな取り合わせで花壇をつくっても、違和感なくまとまるところがいい。


 花壇の面積がもっとずっと広ければ、英国のコテージガーデン風に、ここはピンクの花壇、こちらは黄色の花壇と、色別花壇の演出だってできるのだろうけど、長く花育てをしてきた実家もわが家も、家面積を含めて五〇坪足らずのちっぽけな土地なので、それも叶わぬ夢。それでも、毎年おつき合いを続けているこれらの草花たちの顔を、やっぱり毎年見ないわけにはいかない。それで、結局色とりどりに咲き乱れる、いつもの平和な春花壇ができあがるというわけ。


 といっても、私は自分の庭を悲観しているというわけではなく、むしろ自分の庭にはとても愛着をもっている。なにしろ正真正銘、自分でつくった自分の庭。これが私の人生そのもの、といってもいい。どんなに素敵なお庭をよそで見たって、ここの心(なご)む光景にはかなわない。


 私の小さなステージである庭は、横浜郊外の緑園都市という街にある。ここに越してきたのは、九九年の秋。南面に長細い庭と、東側の玄関にオープンスペースの小さな植栽コーナーが七ヵ所ほどあるだけで、お世辞にも広いとはいえないけれど、工夫すれば季節の草花をいろいろ植え込むことができる。玄関スペースにも、コンテナをたくさん置けるし、家の周りはトレリスで囲まれているので、ハンギングをかけるスペースにも不自由はしない。


 そして、春の花壇は至福のときだ。そんな幸せを毎年必ず、味わうことができるのだから、こんなに嬉しいことはない。命が続くかぎり、日はまた昇るのだから、春花壇にもまた会える。そんな小さな想いが、私の日々を支える大きな(かて)になっている。


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