『小さな庭でも幸せガーデニング』
[著]三橋理恵子
[発行]PHP研究所
たねから育てれば、品種を選ぶ楽しさもたっぷり
夏花壇の花たちが暑さにもめげずに、威勢よく花開かせる七月。困ったことに私の心は、すっかり来年の春へと飛んでしまっている。七月に入るともう、パンジーのたねを準備する季節がやってくるからだ。せっかく真っ赤なダリアが誇らしげに大輪の花を咲かせているというのに、私は脇目もふらずに、たねまき用の土の準備に追われている。そんな私のことを花たちはきっと、「移り気できまぐれな人」、とあきれているにちがいない。
パンジーには品種がたくさんあって、それぞれ素敵なネーミングがついているのに、店先に並ぶパンジーの苗には品種名がついていないことが多いのがとても残念。品種名はそれぞれのキャラクターを表わしているので、名前がわかればもっともっとパンジーに愛着がわくと思うのだけど……。ブルーに紫の覆輪のあるブルークッションとか、ビビッドなオレンジが印象的なパハラジャ、赤ちゃんの顔をイメージしたベビーフェイスなど、名前のつけ方だってとってもチャーミング。