読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

12/21に全サービスをRenta!に統合します

(2021/12/6 追記)

犬耳書店は2021年12月21日に、姉妹店「Renta!(レンタ)」へ、全サービスを統合いたします。
詳しくはこちらでご確認ください。

0
-2
kiji
0
0
1248588
0
スリッパの法則
2
0
0
0
0
0
0
ビジネス
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第4章 よい会社と悪い会社の分かれ道

『スリッパの法則』
[著]藤野英人 [発行]PHP研究所


読了目安時間:30分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ

法則47 よい会社はビジョンや経営理念が社員に浸透している


 一九九九年十一月、ラスベガスで、データコミュニケーション(インターネット、携帯電話、携帯端末などのインフラ関連事業)の中心的存在であるシスコシステムズのトップであるチェンバースさんの話を聞きました。

 彼は「Eラーニング」という壮大なビジョンを語りました。これからは世界中どこにいても、高い水準の教育を学べる環境になるだろうというのです。Eラーニングの普及は人間の出自や地域格差の問題をクリアできる。それによって世界中の人々が機会均等になり、誰もが成功する可能性のある社会が出現すると力説しました。このプランに向かってシスコシステムズが活動していくというのです。

 これは非常に明確で強力なビジョンです。世界中の人々が能力さえあれば、誰でもチャンスを得られる仕組みを構築しようというのですから。このように、誰でもが納得し、誇れるビジョンを発言するトップの姿勢が社員に浸透するのは明らかです。会社の業績が成長し続けるのも当然かもしれません。

 シスコシステムズ本社にも「機会の平等」という言葉が額に飾られていました。性別、人種、国籍、信条、宗教、健康等にかかわらず、すべての人に機会の平等を与えるという言葉が添えられています。

 これは、シスコが博愛主義を標榜したり、フェミニストであることを自負しているわけではありません。ただ、仕事に付加価値を生み出すことができる能力があるか、という一点のみで社員を評価するということなのです。どんな人間であれ、成果を上げれば正当な評価で応えるという意味です。人種のるつぼアメリカならではのスローガンといえるかもしれません。

 実際、こうした企業を支えているのは五〇パーセントにも及ぶインド人、中国人などの移民です。たとえ移民であっても成功すれば、彼らは巨万の富を手にすることができるのです。能力が人種によって差別されることはないのです。

 純血主義、同質主義といった風潮が根底にある日本社会と比べると、どちらが優れた人材を獲得できるか、一目瞭然です。

 私が経営理念という面で感動したのは、ワークスアプリケーションズという会社です。ワークスアプリケーションズが二〇〇一年、ジャスダックに新規上場するとき、牧野正幸CEOのプレゼンテーション資料に驚きました。最初のページに長々と経営理念が書いてあったからです。経営理念は数行書かれているのが普通ですが、これだけ長文のものは珍しいです。経営者の創業の思いが噴出しています。内容は以下の通りです。

【ワークスアプリケーションズの理念】
・日本の企業の情報投資効率を世界レベルへ
・日本のIT産業のエンジニアを世界レベルへ


 これまで、日本の大企業の多くはオーダーメイドで社内のシステムを開発してまいりました。そのため、それを受託するソフトウエア会社が日本のソフトウエアの業界の中心を占めていました。

 ところが欧米においては、大企業の多くがソフトウエア・ベンダーの販売するソフトウエア・パッケージを導入し、少ない投資額で社内のシステムを構築してきました。これらの結果、日本においては自ら新しいソフトウエアを開発しようとするソフトウエア・ベンダーが育たず、海外のソフトウエア・パッケージを日本に持ち込んで販売・カスタマイズするのが主流になってしまいました。また、顧客である日本の大企業もわずかな投資額ですむパッケージではなく、オーダーメイドでのソフト開発に終始し、効率の悪い投資を行なった結果、戦略的な分野への情報化投資が後手になってしまいました。

 このような状況を見かねた創業メンバーが、日本発の創造的なソフトウエア・パッケージを開発・販売すべく設立したのが当社でございます。


 これがA4用紙にびっしり書いてありました。結局、牧野社長とのインタビュー時間の大半は、この経営理念の話で終わってしまいましたが、日本発のソフトウエア・パッケージを開発しようとする思いの強さに圧倒されました。ちなみにワークスアプリケーションズは二〇〇四年に機関投資家がもっとも期待する新興企業に選ばれています。

 ワークスアプリケーションズのように「思い」を持った会社がどんどん現れてきています。私は日本の将来はまだまだ期待できると強く確信しています。

法則48 よい会社は社員が社会的意義を感じて、プライドを持って仕事をしている


 優れた経営者は社員に思想教育ができます。

 十代、二十代の若者はゼニカネでは動きません。ボランティアをやりたい人も多いし、根本的には働かなくてもいいと思っている人もいます。ミーイズムが強く、何をやりたいか模索し、自分の目的意識に執着しています。若者は何よりも使命感を重要視するのです。

 だからこそ、経営者は旗を掲げる必要があります。仕事に対する社会的意義や、やりがいについて徹底的に教え、諭し、会社の業務がどのように日本の社会や文化に貢献するか、といった具体的な事柄を明確に説明しなければなりません。

 食品会社ならば食生活の改善だったり、産業廃棄物処理の会社ならば国民の健康を守ることだったりと、会社の使命を納得させるのです。3Kと呼ばれる業種ほど、大きな使命感や目的意識を必要としています。社会に対して自信を持つ会社は強いものですし、生産性も向上するのです。

 もちろん、経営者自身が自分の語る使命感・目的意識を信じられることが必要です。経営者が信じられなければ、社員に伝わるわけがありません。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:12522文字/本文:14778文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次