『悩みを消して、願いを叶える 龍神ノート』
[著]小野寺S一貴
[発行]PHP研究所
ある日、目が覚めて
リビングへ向かうと
テーブルの上に見たことのない
1冊の“ノート”が置いてあった……。
その歴史は古く、紀元前までさかのぼる。大陸で生まれたその生き物は海を渡った。
日本でもすでに弥生時代から記録が残され、今なお数多くの絵画や建造物でその姿を目にすることができる。
皆が畏れ、憧れ、そして敬った。
その伝説の生き物の名は「龍神」。
そんな伝説の「龍神」が突然、僕たち夫婦の前に現れた……。
「我は龍神だがね。守っているヤツがダメダメだと我の格も疑われるのだよ。だからおまえたちを鍛え直しにやってきたがね」
その龍神の名はガガ。話す言葉はどういうわけか、名古屋弁風。
ダメダメだった僕たちは、ガガの教えをしぶしぶ実践していった。
すると……。あらあら不思議、これまで滞っていた問題がするすると解決し、家族の仲も良くなり、大きな仕事もどんどん入ってくるようになったではありませんか。
そんな僕たち夫婦が次にガガに与えられたのが、
『悩みを消して、願いを叶える 龍神ノート』
だったのです。
これは書き込むだけで龍神とつながる
ちょっとすごい本です
「たくさんの龍神が人間とコンビを組みたいといっているがね!」
部屋に響く我らが龍神様の声。その名はガガ。
「わかってます。だから僕たちもガガさんの教えを広めるためにですね……」
「おまえの言い訳はいらんがね、全く。くどくどくどくど……」
今日も朝から説教をされる僕の名前は小野寺S一貴。通称タカ。とはいえガガとの会話は直接できません。じゃ、どうしているかというと。
「もう! ガガは朝からうるさいわね!」。寝起きの我が妻、ワカ。相変わらずのカスカス声です。そう、ガガは妻ワカに付いている龍神様で、ガガとの会話はすべて妻を介して行われています。
しかし今日のガガさんはなにやらいいたいことがあるようで……。
「今、龍神を意識してくれる人間が増えている。うれしいがね。我々もわいわいと盛り上がっているのだ!」
龍神界もどうやら活気が出ているようだ。なんといっても龍神は神様の使いとして人間と神様の間をとりもってくれる重要な存在だ。その龍神を味方に付ければ神様に願いを届ける量もスピードも格段に上がる。願いを叶えて幸せになってくれる人が増えたら単純にうれしい。
「しかしだ!」。ガガが強い口調で続ける。
「意識してくれるのはうれしいが、なかなかコンビを組めるところまではいかんのだ」
なに? それは聞き捨てならない話だ。僕はガガの話に耳を傾ける。
「龍神とコンビを組むには『祈り』をしたり、『ワクワクした魂』を持っていたりしなければダメだがね」
「そういう魂が龍神さんの栄養になるんですもんね」
今から800年ほど前の鎌倉時代に作られた基本法である「御成敗式目」。これは学校で習ったことがあるだろう。その第一条に次のような一文がある。
「神は人の敬ひによりて威を増し、人は神の徳によりて運を添ふ」
つまり、神様は人間の敬いの気持ちによって力を増すのだという。まさにガガがいっていることそのままだ。日本人は昔からそれを実行し、龍神や神様の助けを借りてきたという証である。
「しかし、今そんな我々の栄養になる魂の持ち主が減っているのだ。そこで我々龍神は会議を開いて検討した」
龍神会議? それは興味深い。はたして龍神会議で出た結論は。
「意識するだけでなく、実際に行動を起こしてもらうしかないという結論に至ったがね」
「行動?」
「さよう。おまえ、『祈る』の本当の意味を知っているかね?」
「そのくらい知ってるわよ!」
失礼な、とばかりにワカはパンパンと柏手を打つと「かしこみ~、かしこみ~」と神棚に向かって祈り始めた。それを呆れ顔で眺めていたガガが残念そうに息を吐く。
「だからおまえたちはバカだといったのだ。『いのる』は意を宣る、という意味。つまり自分の意思を宣言することを指す」
「え。そういう意味なの?」
「宣言するといっても、言葉だけでなく、目標に向けてがんばって行動する姿だって龍神から見れば立派な『祈り』なのだよ。試験に合格したいと願い、勉強している姿を見れば『こいつは試験に合格したいんだな』と伝わるのだ」
なるほど、僕は手を叩いて声を上げた。「だから龍神に伝わる行動をしろ、と」
僕の一言にガガの瞳の奥がキラリと光る。
「その通り。我々はそれを『書く』という行動で祈りにつなげようと目論んだのだよ! そこで、書けばたちまち龍神とつながれるこのノートをおまえたちに授けるがね!」
ガガの核心を突いた言葉が朝の澄んだ空に響く。
と、いうわけで『悩みを消して、願いを叶える 龍神ノート』をここでお披露目したいと思います。ある時、ガガに聞かれたことがあります。
「やると良いことは明白なのに、なぜ人間はしないのだ?」と。
今、たくさんのビジネス書が出ています。そこには成功した人の行動や秘訣が書かれていますよね。だけどそれを読んでわかった気になって、実際に行動に移していない人が多いんだそうです。そこで、ガガに提案されたのが本書のノート術です。
本書に実際に書き込むという行動自体がすでに「龍神とコンビを組みたい」「龍神と仲良くなって願いを叶えたい」という祈りの行動になります。そう、「本書にあるノート部分に書き込むだけで、もう一歩目を踏み出している」んです。
それが本をただ読むのとは大きく異なる点です。加えて「龍神好みの魂になれる」ことで、龍神とコンビを組むために必要な条件が自然に満たせる作りになっています。
しかも本書では、あの龍神ガガが直々に指導してくれるわけですから、龍神とコンビを組めないわけがありません。
「ですよね?」
「もちろんだがね!」
ガガがそういうと、
「私もご協力致します」
黒龍が颯爽と現れた。
※黒龍は僕に付いている龍神様だ。かつて頭も心も固く、そんなマズい魂は喰えんと、龍神様に見放された僕の前に現れたのが黒龍だった。僕と同じで頭が固く、他の龍神の意見を聞かずに一人ぼっちで、色はどんどん暗くなり消えかけていた落ちこぼれの龍神様。僕が成長してウマい魂になり、栄養を与えないと消滅してしまう。僕も黒龍を復活させなければ他に付いてくれる龍神がいなくなってしまう。そんな崖っぷちから一緒に這い上がった仲だ。もともと頭が固かったせいか理論的な説明は得意なので僕たちも助かる。
「では、ガガさん、黒龍さん。よろしくお願いします!」
龍神は人の願いを叶えたくてたまらない
「龍神ってなんですか? 龍神とコンビを組むと、どんな良いことがあるんでしょうか? 読者のみなさんもまずそれが知りたいと思うんですが」
最初に根本的なことを聞いてみる。そもそも龍神が僕たちに何をしてくれるのか? それを知らなければ関係は築けない。するとガガが説明を始めた。
「一言でいえば我々は『神様の使い』なのだ。眷属とも呼ばれるがね。神社にいる、獅子、狛犬、狐なんかがそれだがね」
「神様の部下ってことですか?」。腕を組んで僕は尋ねる。
「さよう。そしてその眷属の中で最も力があるのが我たち龍神なのだ。会社でいえば幹部ってところさ」。エッヘンと胸を張るガガ。見えないけれど、そんな空気を感じる。
「そんな我々龍神の仕事は神様と人間の間をつなぐこと。人間の願いを神様に届けたり、神様の命令を受けて人間の願いを叶えるサポートをしたり、常に人間と神様の間を行き来しているのだ」
「じゃあ龍神と仲良くなれば、私の願いを率先して神様に届けてくれるわけね?」
ふふふ、と不敵な笑みを浮かべてワカがいった。
「神様同士の連絡係も我たちの役割だ。なんせ日本の神様はビックリするほど多くいて、それぞれ性格も違えば得意分野も違う」
「得意分野でなければ願いは叶えられないんでしょうか?」
僕が問うとガガは呆れたように、
「タカ、だからおまえはバカなのだよ」といい放った。バカで悪かったですね。
「ある神様が『この人間の願いを叶えてやろう』となった時に自分の得意分野じゃなかったとする。そんな時は龍神が連絡役となって、その分野が得意な神様に助けを求めたりもするのだ。『こいつの願い、よろしくな!』という具合にな」
それはうれしい話だ。
「そんな我々龍神のエネルギー源は人間のワクワク弾んだ魂だ。そんな魂の人間とコンビを組めたら神様に運べる願いごとも増え、人間の願いの叶い方も早くなる。結果として皆が幸せになるのだ。どうだね、お得だろう」
これは実際に僕たちが体験したことだからいえるが、龍神に後押ししてもらってからの物事の展開はものすごかった。あれよあれよという間に本が売れ、いつの間にやらベストセラーに。執筆やメディアからのオファーが増え、良い情報が集まり、仕事の幅がグンと広がった。何よりあきらめていた様々な問題が解決したのだから、龍神のすごさは自信を持って証明できる。
……。だが、ガガが一瞬考え込むように言葉を切った。どうしたというのだろう?
「ガガさん、どうかしました?」
「うむ。今は龍神ブームでずいぶんとワクワクした魂も増えた。龍神に好かれるヤツも実際増えているのだよ」
「なら、いいじゃないですか」
「問題はその先だがね」。その先?
「我々龍神は働いてナンボなのだ。元気な魂に比例して食べ物が増えるのはうれしいが、満足できる働き場がないのは悲しいのだよ!」
ガガが悲痛な声を上げた。どうやら切実な話のようだ。
「龍神たちは激しく働きたいのだ! 本来の仕事をしたいのだよ。人間の崇高な願いをサポートし、助けるために働きたいがね。快感を得られる達成感が欲しいのだ!」
つまりこういうことだ。龍神ブームで意識されることが多くなり、ワクワクする魂も増えた。おかげで食事にもありつけるようになったが、その実、人間がのし上がるための大きな目標を持たないため、そこで終わってしまい、暴れ回る場がない。
確かに神様も龍神もただ人間と友達になりたいわけではない。人間を助け、成長するサポートをするために存在するということを忘れてはいけない。
「その点、我は良かったがね。さあ、おまえが欲しいのは何かね? 金か? 権力か? それとも……」
「そりゃー、私はお金も才能も欲しいわ~」。ガガ&ワカ、息はピッタリである。
すると、ここで突然声が上がった。
「ガガさんのその考えに、私は反対です!」
黒龍である。
「世の中は常に上を目指している人ばかりではありません。日々を平穏に過ごせれば、それで幸せという人も大勢いるのです」
「確かに。戦国時代じゃあるまいし、上を目指してガツガツする人ばかりだと殺伐とした世の中になっちゃうかもしれませんね」。うんうん。なんか納得する。
「ですから私たち龍神も、人間のニーズに合わせることが必要ではないでしょうか? これからはお互いが手を取り合う時代です。どうすれば相互に良い結果になるか、を考えれば良いのです」
なんと! 龍神側から人間への歩み寄りの提案。これは僕たち人間が要求できることではない。さすが黒龍さん、僕は心の中でエールを送る。
「ガガさん。そこで、人間のニーズに合わせ、この本では、章ごとにテーマを作ってはいかがでしょうか? 人間には癒しを求めている人も多いです。それに私たちの好むワクワクした魂になるためにもストレスの根を取り除くことは必要です」
それはいい。
「まずストレスの根を取り除いて、心を癒してもらう。下地を作った上で龍神とコンビを組むためのワークをやれば、効果も格段に上がるというものです」
さすが僕に付いている龍神だ。実にわかりやすい。
「まず、みそぎの章で、ストレスの原因を取り除き、癒しの章で心を安定させましょう。そして加速の章で私たち龍神との絆を深めるのです」
「あと、お金の章も欲しいわね。やっぱりお金は大事だもの」
ワカ露骨過ぎ。
「ではサプリメントとしてお金の章も作りましょう」
黒龍もノッてきた。こういうノリは大切だ。
これから龍神とコンビを組むために必要な行動を龍神ワークとして「みそぎ」「癒し」「加速」の三章立てでお伝えしていきます。
本来ならそれで充分なのですが、今回は更に効果を実感したい人のために特定のご利益を得られるように「お金の流れを良くする」ための章と「不安を解消する」ための章も追加しました。これはいわば補助食品的な龍神サプリメントです。お金に恵まれたい時や不安になった時にご活用ください。それに妻ワカが推奨する龍神好みの魂を作る龍飯レシピも最後の章にご用意しました。
本書を読んで実行した一つひとつの行動が必ずあなたと龍神との距離を縮め、あなたの願いを後押ししてくれるパートナーになってくれるはずです。