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日本人の心を奮い立たせるサムライの言葉
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ルポ・エッセイ
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第3章 自分で自分を高めるために

『日本人の心を奮い立たせるサムライの言葉』
[著]成嶋弘毅 [発行]PHP研究所


読了目安時間:18分
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「大きなトラブルには、歓喜踊躍し、勇ましく進め」

「大難大変に逢うても動転せぬといふは、まだしきなり。大変に逢うては歓喜踊躍して勇み進むべきなり」。大きなトラブルに遭遇しても動転しない、それだけではまだまだ。歓喜踊躍して勇み進むべきだ。『葉隠』の言葉です。

 二〇代前半。短い勤め人生活の後、経営難の自動車修理工場を買い取り、車の販売ビジネスをはじめました。中古車を買い取り、修理して、安価で売る商売です。米軍基地に知人がいたので、仕入れから販売のネットワークも広がり、繁盛しました。しかしその後がいけなかった。不動産投資で大儲け。自分には商才があると自惚れているうち、資金が回らなくなり、当時で億単位の負債を抱え倒産です。あっという間でした。

 (はら)は括りました。死ぬことはいつでもできる、まず生きよう、働いてお金を返そう。とはいえ、億の金です。当時の日本の生涯賃金では到底追いつかない。どこを見ても“no way out(逃げ道なし)”です。この先、借金を返すためだけに生きていくのか。個人保障の制度がないアメリカなら、経営者ひとりに負債がのしかかることもないのにな……。

 そうか、アメリカだ!

 今の負債が帳消しになるわけではないが、この先、稼げる額が違う。当時のアメリカは、一攫千金が喧伝されていた夢の国でした。一〇代の頃から英字新聞の求人欄を見て、「自分もいつかは……」と夢見ていたものです。今がその時かもしれない。

 逃げ道を(ふさ)がれ、追い詰められることで、憧れていたアメリカへの道が突如として開けたのです。キャディラックのエンジン音のように、胸が高鳴り、全身が震えています。歓喜踊躍、すぐに渡航の準備です。

 ガソリンは、そのままではただの油。火をつけても燃えるだけです。しかし高い圧力をかければ、火花ひとつで爆発するのです。人の心も同じ。プレッシャーが原動力です。


「七回の呼吸のうちに判断せよ」

『葉隠』の言葉です。「古人の詞に、七息思案と云ふことあり。隆信公は『分別も久しくすればねまる』と仰せられ候。(中略)さらに心気うろうろとしたるときは、分別も埒開かず」。
「七息思案」、七回の呼吸のうちに思案することをすすめています。分別、つまり判断も時間をかければ、ねまる(座り込む)ので、使い物にならない。そして心がうわついていると、判断もできないといいます。

 実際、やってみるとわかりますが、七回の呼吸というのはけっこう長い。時間の速い現代では、間に合わないかもしれません。しかしこれが就職や結婚、家の購入といった一生の一大事となると、とても七呼吸では足りないと思うはずです。

 しかし、そういう考えが迷いを生むと、『葉隠』は言っています。

 昼食をどこの店にするか、就職をどの企業に決めるか。判断、選択という意味では、どちらも同じなのです。就職は大事だけど、昼食は適当でいい――日頃、無意識に行っている価値判断が心の高低差を生み、「心気うろうろと」迷わせるのです。練習に強く本番に弱いタイプも、これに当てはまります。本番を大事にするあまり、迷いが生じて勝てないのです。

 私も日頃、ビジネス、プライベート問わず、質問には即答を心がけています。
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