やらなくてはいけないとわかっているのに、宿題や勉強になかなか取りかかれない。これは誰にでも経験のあることです。
なぜ取りかかれないかと言うと、取りかかるまでには、越えなくてはいけないハードルがあるからです。
どのようなものかと言うと、「気が向かない」「やる気にならない」「疲れている」「楽しくない」などの感情です。
この心のハードルは結構な高さがあって、乗り越えるのは大変です。だから、どうしてもグズグズしてしまいます。
では、どうすればそれを乗り越えられるのでしょうか。
秘訣は取りかかりのハードルを下げることです。
宿題や勉強をやり終わるというゴールに向けて、最初の一歩だけを踏み出すのです。その一歩が出ると、意外とスムーズに宿題や勉強が進むことがあります。
一歩を踏み出す工夫は、小さなものでいいのです。
たとえば学校から帰ってきたら、疲れていても、その日の勉強に必要な物をカバンから出して、テーブルや机の上に置いておきます。
塾の宿題があったら、それも一緒に置いておきます。
たったこれだけでも、カバンの中に入れっぱなしの状態から、ゴールに一歩近づいたことになります。
机に出して、できればページを開いておきます。すると二歩近づいたことになります。さらに下敷きを入れておけば、また一歩近づきます。
学校から帰ったらすぐ、最低それだけはやっておきます。
あとはちょっとのんびりしても、やりたいことをやっても、あるいは塾や習い事に出かけてもいいのです。
カバンにしまい込んだままにしておくと、「宿題があったな」「あの勉強やらなくちゃ」とわかっていても、なかなか手を出す気になれません。
そのままズルズルと放置すれば、正体のつかめない怪物が潜んでいるような不安な気持ちが生まれてきて、それがどんどんふくらんでいきます。すると余計に手が出しにくくなります。
そうなる前に、机の上に出して怪物の正体を暴いてしまうのです。正体さえわかれば不安も減ります。
宿題や勉強に必要な物をカバンから出すだけで、やるべきことが明らかになります。
ゴールに向かって、何を、どれだけ、どこまでやればいいのかの見通しがついて、気持ちも軽くなります。
気持ちが軽くなると、「じゃあ、やろうかな」という気が湧いてきて、取りかかりやすくなるのです。