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靖國の精神史 日本人の国家意識と守護神思想
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生き方・教養
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あとがき

『靖國の精神史 日本人の国家意識と守護神思想』
[著]小堀桂一郎 [発行]PHP研究所


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 本書は平成二十八年の秋に、ほぼ現在のこの規模に近い形で脱稿してゐた單行本『傳統の興廢』(假題)といふ一書の原稿の前半部を新書版にまとめ直したものである。


 その後半部は昨平成二十九年の十月に『和辻哲郎と昭和の悲劇』と題し、同じくPHP新書の一点として先に世に出た。同じ單行本の一書の後半が順序を違へて先に刊行され、前半部が一年遅れて梓に上る事になつた次第については既に前著の「あとがき」にその理由を記した。


 簡單にその要旨を再説しておくと、最初に構想してゐた『傳統の興廢』では叙が長大になり過ぎて單行書として讀者の獲得は困難であらうとの觀測が出版社の集部にあつた事、そしてやゝ輕少な形に原稿を二分するとすれば、初めに精神史的傳統の衰退を叙述した部分を「昭和の悲劇」として提示し、それではその衰退を嘆かれてゐる國民の精神傳統とは如何なるものであつたか、との回顧を叙べる形をとつた方が、精神史の構造を俯瞰する方法としては理解し易いといふのが編集部の見解であつた。そして著者は率直にその意見に從ふ事とした。


 昨年刊行の前著と同じく、單行書用の著者の自筆原稿は持論に從つて正假名遣で綴り、とかく多用してゐる漢字語の字體も原則として正字體を用ゐてゐた。新書版での刊行に予定を變更した事から、本新書の樣式に合せて假名遣と特例以外の用字を共に現代表記に置換へて入力し、漢字をかなに開いた事例も多く生じたが、この作業は技術上全て集部に一任し、著者自身はその入力結果をほぼ全面的に承認する事とした。又全篇に亙つてかなり詳細なものになつた各章・節の枠内の小見出しの數と位置と字句の擇も大部分は集部の發案にお任せし、校正時に著者から再修正を要請した例は少ない。此等の煩瑣な作業を擔當された川上達史氏を始め集部諸氏の勞を多とし、懇篤な御配慮に厚く御禮申し上げたい。


 本書の内容は平成二十二年に發足した靖國神社主宰の「靖國活世塾」で最近の數年間に講義した内容の何篇かを吸収してゐる。年に一度の出講であるこの活世塾での講座も平成三十年でその第九期に入る。この連年の講義を續けてゐるうちに、此までにその都度毎の當座の私の關心から時間的脈絡を無視して講じてゐた靖國の思想の重要な諸相を、時代的系列に沿つて一書にまとめておきたいといふ内的要求を覚えた。その事も本書の當初の計劃の實現を促した動機の一であつた。


 この新書版一冊が、上記「活世塾」の基本的教材として使ひ物になるかどうか、判定は過去何期かの聽講者諸氏を含む一般の讀者諸賢の評價に待つより他はない。だがともかくも本書は活世塾での連年の講義と結びついて私の内部に長く燻つてゐる、この神社とその本殿に鎮まり(いま)す二百四十六万六千余柱の英靈への自分勝手な思ひ入れの表現ではある。購讀者諸氏が著者のその衷に御諒解を賜はるならば幸甚である。



   平成三十年八月念日

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