読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1252181
0
すれ違ってしまった相手との心の修復法
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第3章 感情をコントロールする

『すれ違ってしまった相手との心の修復法』
[著]中山和義 [発行]PHP研究所


読了目安時間:28分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ



 話の聞き方と話し方について、詳しく説明してきましたが、相手や自分の感情について注意をすることによって、お互いの関係をさらに、深めることができます。

 特に、自分の感情をコントロールすることができないと、冷静に相手の話を聞くことも、効果的に話すこともできません。
「本当は大切な人なのに、なぜ、あんなに酷いことを言ってしまったんだろう」
「身内だけれども、あの人の言葉はどうしても許せない」

 という悩みは、感情のコントロールができないことが原因です。

 どんなに話し方や聞き方のテクニックを磨いても、自分や相手の感情と向き合わなければ、良い関係を築くことは不可能です。

 相手や自分に起こる感情について、考えてみましょう。


1 怒りの感情に注意する


 大切な人との関係を一瞬で壊してしまう感情の一つが「怒りの感情」です。

 デートの最中、大好きな彼なのに、過去につき合っていた女性の話をされたことがきっかけで、思わず
「あなたなんか、二度と会いたくない」

 と彼女が大声で言ってしまったり、子どものことを、とても愛しているのに、ふざけていることが原因で、幼稚園が始まる時間に遅れそうになって、
「何で、ふざけてばかりいるの? 大嫌い」

 とお母さんが怒鳴ったりすることがあります。

 このような状況によって、怒りの感情が生まれてしまうと、本当は大切な人なのに、相手との関係を悪くしてしまいます。


 どうして、「怒りの感情」は生まれるのでしょうか?


 心理学では「怒りの感情」は第二感情と呼ばれている感情です。最初に出てくる感情ではなくて、2番目に出てくる感情になります。
「怒りの感情」の前に、相手との関係で最初に出てくる感情は期待や不安といった感情です。これらの感情が元の原因になって怒りの感情が生まれてしまうのです。

 どのような感情の変化が起きているのかを分かりやすい話で説明します。


 デパートのおもちゃ売り場に、幼稚園に通う男の子が、お父さんと一緒に買い物に来ていました。

 お父さんがトイレに行きたくなったので、
「お父さんが戻るまで、ここのおもちゃで遊んでいなさい。絶対に、他の所に行っては、ダメだよ」

 と伝えて、男の子から離れました。

 男の子は、お父さんの言う通りに、遊んでいましたが、すぐに、置いてあったおもちゃに飽きてしまいました。そして、もう一度、エスカレーターに乗りたくなって、その場を離れてしまいました。


 お父さんは男の子が心配だったので、急いで戻ったのですが、すでに、姿はありません。

 慌てて、おもちゃ売り場を捜しましたが、見つかりませんでした。他の売り場も捜してみようと思って、急いで階段を駆け下りているとき、館内放送が流れて、男の子が保護されていることを伝えてくれました。

 放送で聞いた1階の受付に着くと、男の子が係りの女性と一緒にしょんぼりと座っていました。お父さんはその姿を見て
「どうして、言った通りに、そこにいないんだ。言うことを聞けないお前なんか、もう、二度と連れて来ない」

 と怒鳴りつけました。

 最後は、お父さんの心を怒りの感情が支配してしまいましたが、最初や途中の感情は違っていました。この出来事を、感情の変化で考えると「怒りの感情」の前に、他の感情が隠れていることが良く分かります。


 トイレから戻ったお父さんは、男の子が、言われた通りに遊んでくれていると期待していました。しかし、彼がいなくなったのを見て、不安になり、心配をしながら、必死に捜しました。そして、放送を聞いたときには、安心しました。最後に、男の子に会って、怒りの感情が生まれました。

 怒りの感情の前に、期待、不安、心配、安心の感情が隠れています。


 お父さんは怒りの感情に支配されて
「どうして、言った通りに、そこにいないんだ。もう、二度と連れて来ない」

 と怒鳴ってしまいましたが、本当は隠れていた怒りの前の感情を男の子に伝えてあげる必要がありました。もしも、お父さんが
「無事でいてくれて良かった。言った通りに遊んでくれていると思ったのに、いなかった。お父さん、とても不安になった。

 悪い人に連れて行かれたんじゃないかと、心配しながら、必死に捜したんだ。

 放送を聞いて、見つかったと分かったときは、ほっとした。

 こんな思いをするくらいなら、二度と一緒には来たくない。お願いだから、言われた通りにしてくれないか」

 と、自分の感情を伝えてあげたらどうでしょうか?

 怒りをぶつけるよりも、きっと、男の子は言うことを聞いてくれるようになると思います。


 怒りの感情に支配されそうになったとき、怒りの前にどんな感情があったのかを考えると、怒りをコントロールすることができるようになります。

 このお父さんのように、怒りは期待を裏切られると生まれることが多いので、自分の期待がどこにあったのかを思い出すことによって、なぜ、怒りの感情が生まれてしまったのかが分かります。そして、その原因について、気づいたら
「怒ってしまったけれども、あなたに期待しているからなんだよ……」

 と素直に伝えてあげてください。

 怒っているだけでは、相手は気持ちを理解してくれるどころか、心が離れていってしまいます。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:11824文字/本文:13943文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次