『中村天風 折れないこころをつくる言葉』
[著]池田光
[発行]イースト・プレス
「接心」への貴重な機会を、
安定打坐の践行をおろそかにすることによって
あたら逃がしていやしないか……
それがあまりにも安易な方法であるだけに……。
『真理のひびき』
石川素堂の話をもう少し続けましょう。
素堂は、安定打坐をするとあまりに簡単に接心できるので、苦行僧にこの坐禅法を授けると修行をおろそかにすると考えました。これを受けて天風は、安定打坐法がこれほど安易な方法だけに、なまけ心が出て、おろそかにしていないか、と門下の者たちに問うたのが右の言葉です。