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お母さんの目からウロコが落ちる本
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第2章 育児の本音

『お母さんの目からウロコが落ちる本』
[著]頼藤和寛 [発行]PHP研究所


読了目安時間:21分
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子育てに絶対はない


 知人に、すごく親孝行な人がいます。といっても、彼とて昭和二桁(ふたけた)生まれなので、昔の人間ほどではありませんが、どこか旅行へ行くとみやげものは忘れないし、しょっちゅう孫をつれて親もとを訪問し、こまやかな心づかいを絶やしません。当節珍しいので、ひょっとして養子かなにかかと思いきや、れっきとした実子。一人っ子でもないし、兄弟が八人というのでもない。一人っ子なら親離れできてないだけかもしれないし、子だくさんなら親へのサービス競争かもしれませんが、彼に関してはそんなことありません。それに、他の兄弟は現代風で、親孝行どころか親を利用することしか考えてないらしい。どういうわけか、彼だけが親孝行。

 さて、彼は単に親孝行なだけかというと、これが、一流大学卒、一流商社のエリートサラリーマンで、しかも親孝行者によくあるように奥さんとうまくいかないというんじゃない。奥さんもよくできた人ではありますが、彼だって身びいきばかりでなく、奥さんの実家にも配慮が行きとどいていますから、夫婦円満無病息災。子どもはまだ小さいので、これから先どうなるのかはわかりませんが、少なくとも今のところは順調に育っています。

 どうです、ウチの子もこんな人間に育ってくれたらと思いませんか?

 一度、その親御さんに尋ねたことがあります。「どう育てたら、彼みたいな優等生に仕上がるんですか」って。彼の両親は困ったような顔してましたよ。「いや、どうったって、どうということないですよ。特別なことしてませんよ、自然にああなっちゃったんで。なにかコツがあるなら、ほかの子どもも全員、あれみたいにうまくいってるはずでしょ。でも上の長女はごうつくばりだし、下の弟はいつまでもフラフラしてるしね。とくにあの子にだけなにかしたって記憶はないなあ。ま、もっとも、あいつだけは小さい頃からしっかりしてたから、われわれも頼りにはしてましたけど……」。

 そこで、われわれは「ソレだっ!」なんて短絡するんです。両親から信頼され、プラスに評価されることが今日の彼を作りあげたのだ、なんてね。やっぱり、「ほめて育てよ」だなあとか、親から「信頼されて育つ」とうまくいくのだとか。

 冗談じゃないですよ。ほめるにしても信頼するにしても、相手あってのことでしょ。どうしようもない子どもをほめるのは不自然だし、まして信頼なんてできるわけがない。結局、彼の場合、他の兄弟よりもともと出来がよかったから、自然に親が頼りにしたわけでね。つまり親が頼りにしたから親孝行のエリートになったんじゃなくて、もともとそんな上玉だったから親が頼りにしただけなんです。

 もっともそれも、他の兄弟が並の出来だから「とくに秘訣(ひけつ)はない」とわかるんだけど、たまたま二人兄弟で両方とも上出来だと親は誤解しますよ。その親がスパルタ式だったり教育熱心だったりすると、それがよかったんだと信じますし、逆に放ったらかしだったり自由にさせていたんだったら、それが理想的な育児だと思い込んでしまいます。でも現実は、たまたま二つとも当たりくじだっただけじゃないでしょうか。

 逆に、二人兄弟の両方ともがイマイチの仕上がりだったら、スパルタ式でも過保護でも放任でも、つまりなにをしてもなにをしなくても、それが失敗の原因で、「育て方を誤った」と思い込んでしまいます。世の中には、スパルタ式でうまくいったケース、過保護に育てて成功したケース、放任気味にやったのにしっかりしたケースがごまんとあるんですから、“うまく育てる秘訣”がないように“育児にしくじる秘訣”もないのです。

育児は万能にあらず


 ある女の子が虐待を受けていました。
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