十五人のグループで中国を旅行したとき、夕食が終わったのが八時ごろでした。わたしは、「これから上海の街を散策したい人はわたしが案内します。疲れているからホテルで休みたい人は休んでください」と言って、みんながどうしたいかを尋ねました。
そのとき、全員に目をつぶってもらった上で、挙手させたのです。なぜかといえば、どうも日本人は他人の意見に左右されるからです。他人はどうであれ、自分はこうする、といった主体性のない人が多いのが日本人の特色です。
挙手の結果は、街を散策したい人が七人、ホテルで休む人が六人でした(わたしと妻は除かれています)。
そうすると、「そんなに大勢が行かれるのであれば、わたしも行きたい」という人が四人も出てきました。ホテルに残る人は二人になったのです。
これが日本人です。日本人は、みんながそうするのであれば自分もそうする。みんながやめれば自分もやめる。そのように主体性がありません。