パキスタン航空のウルドゥー語の機内放送では、到着予定時間をアナウンスするようなとき、最初に、
「イン・シャー・アッラー」
という慣用句を加えていた。パキスタンはイスラム教の国で、イスラム教の聖典『コーラン』は、イスラム教徒が未来のことを語る場合には、必ず「イン・シャー・アッラー」をつけ加えよと命じているからである。
「イン・シャー・アッラー」というアラビア語は、「もし、神が欲したもうならば……」の意で、人間の力だけでは未来のことは決まらない、そこに神のご加護があって、われわれは無事に目的地に到着できるといった思想なのである。