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(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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人生をデザインする48の方法
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生き方・教養
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2 つくり手がドキドキしないものは、観客もドキドキしない。

『人生をデザインする48の方法』
[著]コシノジュンコ [著] 中谷彰宏 [発行]PHP研究所


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 岸和田で、コシノ三姉妹のコレクションがあった。

 本番の始まる前に楽屋に行った。

 通常、コレクションの始まる前は緊張する。

 ところが、「まだ5分もあるから」と、たこ焼きを食べていた。

 5分前に、なんの緊張もないのが、意外であり、驚きだった。

 ところが、さすがのジュンコさんも、パリコレクションでは、緊張する。

 ステージの階段も上がれなくなる。
「どうしたの? というくらい足が硬直して、階段を上がれないんです。それは恥ずかしくて、人に言えません。普通は、デザイナーがモデルに『大丈夫よ』と言うのですが、モデルに『大丈夫、大丈夫』と慰められています」

 観客の反応が、気になるのだ。

 行って戻ってきたモデルに、観客の感想や顔色を伝えてもらって、「そうか、それはよかった」と初めて安心する。

 楽屋にいると、観客の反応は見えない。
「とにかく最初だけ、始まる前がものすごく怖いんです。始まってしまえばなんともない。さっきまで気楽にワイワイと騒いでいても、さあ始まるという何秒間は、胸のあたりがどうなっているのかしらと思うくらい、ドッキーンとするんです。同時に、足が動かなくなる。一瞬だけど、最初のコレクションはいつもそうです。パリをやって、東京をやって、ほかにもどこかでと、何回も何回も繰り返していると、それがだんだん(ゆる)んでくるんです」

 それは、何に対する緊張だろうか。
「自分に対してです。まわりの反応を緻密(ちみつ)に計算してモノを作ったのではなく、自分の感性だけで作っているから、それにどういう反応が来るかが怖いんです」

 これが、モノを作るものの宿命だ。
「でも、何回も何回もずっとやっていると、前回よりも今回、今回よりも次みたいな一つの基準ができます。初めてやる人は、基準がないから難しいんです。何回もやっていると、前回こういうものがウケた、これは絶対ウケないという経験をいっぱい持つようになります。だから、大きくハメをはずすことはなくなるし、大きな失敗は、まずしなくなります」

 失敗しなくなるというのは、いいことばかりではないのが、クリエーターだ。
「失敗がないのも面白くないんです。冒険がないというか、無難になってしまうんです。無難でいくのは、生きている必要がないですから、面白くないんです。そこで、ちょっとハメをはずしたモノに、あえて挑戦するから、ちょっとドキーンとするのです」

 デザイナー自身がはらはらしているくらいでないと、観客もドキドキしないのだ。
「お客さんは、みんな忙しい中を仕事で来ているんです。つまらなかったら、招待されていても、外国では、何をふざけているの! と、椅子をけっ飛ばして出ていってしまいます。それだけ厳しいし、真剣です」

 大阪のお客さんも厳しい。

 講演会でも、話し手の話がつまらなければ私語を始める。
「日本は、け飛ばして出ていくほど厳しくはありませんが、私のショーは、パーティーみたいに、楽しんでいただくというのがホンネです。人があれだけ集まるチャンスはありません。パーティーで集まるのとショーで集まるのとは、そう変わらないんです。何か、キッカケがあるから、集まるんです」

 ジュンコさんは、自分の服を見せるために、人を集めているのではない。

 みんなが集まるキッカケをつくり、みんなを楽しませているのだ。
「集めた責任みたいなものもあります。ディナーだって、自分がホストでお客さんを()んで、料理がまずかったり、ワインがビビッていたらどうしようというドキドキがあるんです」

 というジュンコさんのご主人の鈴木弘之さんは、プロデューサーとして、毎回、プレッシャーがあるにちがいない。

 お客さんは、「前よりもっと」を期待するからだ。

 それもまた、クリエーターは、自分を刺激する材料にする。

ラテン系日本人になるために
たまには、失敗しよう。


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