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プレッシャーに強くなる技術
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生き方・教養
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まえがき

『プレッシャーに強くなる技術』
[著]齋藤孝 [発行]PHP研究所


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 毎年、入試の採点業務に携わっているのだが、「かわいそうだな」と思わずにはいられない解答を見ることがよくある。ふだんなら絶対間違えないであろう常識的な漢字を書き間違えていたり、解答欄がすべて一つだけズレていたり、といった具合だ。

 いずれにせよ、学校の試験や模擬試験ではけっしてやらないようなミスをしてしまうのである。本番で緊張しすぎて冷静さを失った結果だろう。


 就職活動の面接でも、緊張のあまり舞い上がってしまい、言葉に詰まったり、逆に余計なことを口走ってしまったりする学生は少なくない。

 入試も就職活動も、その後の人生を左右するものだけに相当なプレッシャーがかかる。そうした中で、ふだんの実力を発揮できるかどうか。つまり、プレッシャーに強いかどうかで、大げさにいえば人生が決まってしまうのだ。


 プレッシャーに強くないと望みどおりの人生を送れないのは、社会人になってからも同じである。
「重要な社内プレゼンで、舞い上がってしどろもどろになってしまった……」
「上司や取引先に理不尽な要求を突きつけられて、ひと言も返せなかった……」
「同僚や顧客のささいなひと言が気になって、夜も眠れない……」

 社会に巣立った教え子たちから、こんな相談を受けることがある。多くの場合、悪くいえば気の弱さ、よくいえば心根の優しさが主な原因だ。とりわけ今の若者たちは、おそらく日本史上(もしかすると地球の人類史上)、もっとも繊細で優しい人類かもしれない。

 それはある意味、平穏で豊かな時代の成果であり、彼らに責任はない。しかし社会に出て苦労している姿を見るにつけ、何とかしてやりたいとも思う。せめて日々の波風には平常心で臨めるような“強さ”を身につけさせたい。


 一方、世の中には、「ちょっとやそっとのことでは動じない」という人もいる。そんな人のことを「胆力(たんりよく)がある」という。昨今ではあまり聞き慣れない言葉かもしれないが、要は何事にも動じない心の強さ、ささいなことで一喜一憂しない(きも)(たま)の大きさのことを指す。

 繊細・敏感な性格の持ち主ほど、「胆力がある人」に憧れるだろう。しかし、開き直るわけではないが、性格的にそのような人間に生まれ変わることは、今さら難しい。

 では、繊細・敏感な人は何をやっても一生プレッシャーに弱いままかといえば、そうではないのである。

 詳しくは本文に譲るが、ポイントは、「技術」「準備」「訓練」の三つである。小心者でも、神経質でも、人間としての器が小さくてもけっこう。問われるのは、プレッシャーに強くなりたいという思いが本物かどうかだけだ。


 繊細さや敏感さというのは、プレッシャーという意味ではマイナスのものかもしれない。しかし、あらゆる仕事で感性や細やかなコミュニケーションの重要性が叫ばれる昨今、そうした性格や気質というのは大きな武器にもなる。その上プレッシャーにも強くなれたら最強といっていいだろう。


 ハードボイルド小説の名手、レイモンド・チャンドラーが生み出した私立探偵フィリップ・マーロウの有名なセリフに、「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」がある。
「資格」は十分に持っているであろう多くの人々にとって、本書が「強く」生きていくための一助となることを、願って止まない。

齋藤 孝 
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