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矛盾社会序説
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人文・科学
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04 外見の差別・内面の差別

『矛盾社会序説』
[著]御田寺圭 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:15分
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「地毛登録」の波紋



 2017年10月、地毛が茶色である女子生徒が、黒髪への染色を強制されたことから不登校になり、女子生徒が自治体(大阪府)に対して、損害賠償を求めて提訴するという出来事があった。


 案の定ネットでは火の手があがり、女子生徒を不登校に追い込んだ学校、あるいは教育システムそのものに対して問い(ただ)すような論調が目立った。


 大阪府では、生まれつき髪の色が明るい生徒に対して「地毛登録制度」を導入する学校もあるという。「地毛登録」とはなんとも珍妙な響きの伴う文字列であるが、学校側は大真面目に取り組んでおり、登録した生徒に対して誤った指導をしないための策として説明がなされている。東京都の一部の公立高校では「地毛登録」と同内容の「地毛証明証」という仕組みも試みられているようだ。いずれにしてもかなり間抜けな制度名であるが。


 外見で人を判断すること──もっといえば、外見を根拠に偏見や先入観をもって接することは、すなわち「差別」にあたるとされる。たしかに、恐ろしげな風貌の人が必ずしもそうとはかぎらないし、それだけを判断材料にしてその人を忌避したり排除したりするとしたら、それは差別にあたるだろう。


 しかしながら、私たちは(仮にそれが差別あるいは差別的な意味を含んでいることがわかっていたとしても)往々にして、人を外見で判断するような社会生活を営んできてしまっている。むしろ、社会そのものが外見的判断を前提として構築されているのである。「人を外見で判断するのはよくない(差別だ/偏見だ)。」というのはもっともだが、私たちの身のまわりには、どれだけ多くの「外見的判断」が存在しているのだろうか。



イケメン・美人の効能


「※ただしイケメン(美人)に限る」というネットスラングがある。「ある行為について、それが好意的・肯定的に受け入れられるのは容姿がすぐれていることが前提である」ことを揶揄的に表現したものだ。しかしながら、これがまったくの放言であるというわけでは必ずしもない。実際のところ、ある人物の外見によって言動やパーソナリティの印象評価が影響を受けることは、多くの研究で示されてきたところである。


 ダニエル・ハマーメッシュの『美貌格差─生まれつき不平等の経済学』などに代表されるが、外見的魅力に起因する社会的評価や経済的格差を題材とした研究や文献は数多くある。それらの多くで報告されているのは、出世のチャンスや所得については、容姿のすぐれている場合はそうでない場合よりも高まるということだ。交際相手に恵まれる機会や子どもの数などにも容姿との関係性があることが示されている。容姿と人生の幸福度の関係性も男性に顕著であることは特筆に値する。

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