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三日坊主の心理学
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生き方・教養
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第2章 心の中に巣喰うムラ気の虫を退治する

『三日坊主の心理学』
[著]大原健士郎 [発行]PHP研究所


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「この性格はなおらない」というあなたに


第一の秘法 ―― 体液で分かる人の性格


 昔から、いろいろな方法で、人の性格を判断しようとする(くわだ)てがなされてきた。現代では問題になる点も多いが、その中のいくつかを、ここで紹介してみよう。

 人間の体は地・水・火・風の四元素からなり、体内には湿温の性質をもつ血液、冷湿の性質をもつ粘液、湿乾の性質をもつ黄胆(おうたん)、冷寒の性質をもつ黒胆(こくたん)の四つの体液が存在すると考えたのが、医学の父ヒポクラテス(紀元前四〇〇年頃)である。この体液病理説を基礎に、ガレヌスは、かたよった気質は特定の体液が優勢になることから生じてくるとして四つの気質を考え出した。その四気質とは、血液が多くなれば多血質、黄胆が強くなれば胆汁質(たんじゆうしつ)、黒胆液の場合は黒胆汁質、粘液では粘液質となる。多血質の者は感情的で、気分が変りやすく、粘液質の者は鈍感で、感情は持続的であり、胆汁質の者は精力的で客観的、黒胆汁質の者は憂うつで主観的であるといわれる。

 この四気質説はその後ながく受けつがれ、最近でも、アイゼンクの人格論にとり入れられ(図1)、いまなお教えられるところが多い。これから分かるのは、胆汁質および黒胆汁質の人が三日坊主だといえることであろう。


第二の秘法 ―― 筆跡で分かる人の性格


 古来より、筆跡が精神の表現であることが広く認められてきた。大きく、活発な字を書く人はその性格も大らかであり、乱雑な字を書く人はその性格も大ざっぱという具合である。有名な精神科医であるジャネも筆跡と性格との関連性を重視している。筆相学ということばは一八七一年にミションによってはじめて使用された。ミションのあとを継いで、クレピュー・ジャマンが『筆跡と性格』という本をあらわし、フランス学派の筆相学を築いた。彼は筆跡を形態・筆圧・大きさ・方向・速度・秩序・連続に大別し、その後それぞれを細分化した。この主な種類をあげると次のようになる。下段は性格特性である。

〈形態〉

 角ばったもの………かたさ

 丸味がある………柔らかさ

 わざとらしい………自発性の欠如

 習字的………平凡

 糸状のもの………了解不能性

 閉鎖的………ひかえめ

 単純化したもの………教養

〈大きさ〉

 のびのびした………(そう)

 大きい………外向的

 小さい………注意集中

 隙間がない………節約

 動きが少ない………節度

 背のびしている………自尊心

〈方向〉

 下向している………抑うつ

 傾いている………女性的熱情

 上昇している………熱心

 進行性の(右転の)………躍動

 逆行性の(左転の)………抑制

 柔らかい(不定方向)………躊躇(ちゆうちよ)(不安)

〈筆圧〉

 強い………官能的

 線細な………繊細

 細長い………神経質

 粘着性(ペタペタ、押しつけた)………鈍重

 浮き彫り型の………生気

〈速度〉

 興奮性の………エネルギー

 衝動性の………自発性

 ゆっくりした………緩徐(かんじよ)

 速い………活動性

〈秩序〉

 乱れた………無秩序

 秩序がある………訓練のできた

〈連続〉

 不同の………情動性

 抑制された………抑制

 不連続の………活動性

 連続性の………同質性行為

 中絶した………自発性の抑制


 三日坊主の人には、“形態”ではわざとらしさと糸状、“大きさ”では大きく、“方向”では下向したり、逆行性であったり、柔らかく、“筆圧”では線細で細長く、“速度”ではゆっくりした、“秩序”では乱れた、“連続”では不同、などといった特徴があるといえる。しかしこれは、日本語の筆相学ではないことを考えておかねばならない。

第三の秘法 ―― 手相で分かる人の性格


 手相をみることは、洋の東西を問わず昔から行なわれていたが、とくに中国では紀元前三〇〇〇年も昔から行なわれていた。日本の手相見は、中国から教わったものであるが、人相といっしょに手相を占なっている。

 ヨーロッパの手相見はギリシャ時代からのものであるといわれているが、これは占星術(せんせいじゆつ)とともに行なわれ、実証的な研究はみられなかった。

 手相学で有名な研究はウォルフのものである。彼女は手の形を分類し、手のスジ、手の各部分、爪などを研究し、六型に分けた。

「簡単で原始的な手」は、大きくて筋肉が発達している手である。手のスジも少なくて簡単であり、時には生命線、頭脳線、感情線、運命線などといった主な線しかない場合もある。普通、スジは広くて深い。指や指先は短かく、幅が広く、親指とそのつけ根は大変発達しており、それに応じて生命線がはっきりと出ている。

 このような人の気質は躁うつ質が多く、社交的で人情味があり、朗らかでユーモアがある人とか、人情深く人づき合いはよいが、物静かな人が多い。

「不規則で原始的な手」というのは、簡単で原始的な手に似ているが、手の均衡(きんこう)がとれていないという特徴があり、親指が非常に短かかったり、手スジが途中で切れていたりなどする。

 このような手の持ち主は、体の均衡がとれていない人に多く、顔が小さくて、額の低い人が多い。鈍感な者、犯罪者、感情がアンバランスの者などが多いが、反対に芸術的な才能をもつ人もいる。

「骨ばった動的な手」を持つ人は、やせ型の人に多い。筋肉が堅く、脂肪が少ないので、掌が平面的である。長くてスマートな手であるが、スジは縦横に深い線が走り、変化にとんでいる。

 この手の持ち主は、一般に内向的な分裂質で、臆病で感じやすく、非常に興奮しやすいが、感情を外に示さない。物静かで自然を愛する。時には外向的で、ある種の躁うつ質を思わせるものがある。この場合には、活気にあふれて魅力的で、人気者のことが多い。

 いずれにしても、物分かりがよく、理論化というより実際家である。スポーツの才能にも恵まれている。

「肉づきのよい動的な手」は、骨ばった動的な手に似ているが、広くて肉づきのよい点が異なっている。

 この手の人は肥り型の体型の人に多く、運動は強いが、動作はゆっくりしている。この手の持ち主は、簡単で原始的な手と同様に躁うつ質であり、社交的で明朗、ユーモアがあることが多い。物事をよく理解・判断し、良心的である。

「短い感性的な手」は、小さくて幅も狭い手である。女性に多いが、男性でこのような手を持つ人は女性的である。筋肉は弱く、親指のつけ根は平たい。感性的でなよなよしている。掌にはスジが多く、クモの巣のようである。

 この手の持ち主は体格が小さくホルモン系の障害があるといわれ血圧が低く、じきに疲れて、仕事が長続きしない。このような人はすぐに立腹したり、恐れたりするし、感情に耐える力が弱く、環境に左右されやすい。生涯子どもっぽい性格を残し、気分は変りやすく自己中心的である。

「長い感性的な手」は、しなやかで細長く、指先が細くなっている美しい手である。この手は筋肉が弱くて、運動には不向きである。掌は、あらゆる方向の細い線が多く、ことに縦の線がいちじるしい。

 この手の持ち主は夢想(むそう)型の分裂質で、内向的、孤独である。気分はふさぎ気味で、生気がなく、友人も少ない。感傷的でおセンチで、芸術や宗教などにこりやすい。

 実際には、以上の類型が混合して、複雑になっているが、あえていうなら、「不規則で原始的な手」「短かい感性的な手」「長い感性的な手」の人が、三日坊主といえるだろう。


「性格だから仕方ない」というのはウソ

三日坊主と躁うつ病には関係がある


 前の章では、性格の異常・かたよりと三日坊主との関係を見てきた。ここでは三日坊主がどのような精神医学的疾患とどのように関係を持っているかを考えてみよう。

 精神障害は大別して、精神病とノイローゼ(神経症)とに分けられ、精神病でも比較的になおりやすいタチのよいものもあれば、放置(ほうち)しておくと廃人同様になるタチの悪い病気もあって、一口に説明できるものではなないが、ここではありふれた病気で、三日坊主と関係のある躁うつ病、精神分裂病、ノイローゼ、アルコール依存、薬物依存の五つだけを選んで説明することにしよう。


 (そう)うつ病は遺伝的な素質が病気の原因であるという説が一般的であるので、一般に内因性精神病とよばれている。この病気の特徴は、たいした動機もないのに、感情障害が生じ、経過が周期的なことである。その典型的なものは、憂うつな状態(悲哀(ひあい)記的気分変調)と調子の高い躁状態(発揚的気分変調)という二つの病相が交互(こうご)に出現し、それらの間の期間はまったく普通の人と変りのない気分になるという特徴を持っている。

 この病気は放っておいても自然になおるが、半年から一年もかかることがあり、いろいろな事故(躁状態のときには放浪・乱費・エロチックな行動など、うつ状態のときには自殺など)を生ずることが多い。しかしタチのよい病気である。

 この病気では遺伝素質が発病の主な条件であると考えられ、ルクセンブルガーの遺伝の調査によると、一般人の出現頻度(ひんど)が〇・四四%であるのに対し、この病気を持つ者の子どもでは二四・四%、同胞では一二・七%という高い発生率が認められ、カールマンによれば、一卵性双生児(いちらんせいそうせいじ)における出現一致率は九五・七%の高率を示している。

 この病気は、躁状態とうつ状態とが交互にくることもあり、うつ状態だけを何度もくり返したり、躁状態だけをくり返したり、あるいはまた、生涯にただ一度の発病をみるに過ぎない人もいれば、毎年季節の変りめに具合の悪くなる人もいる。

 一般に躁状態は青年に多く、うつ状態は老人に多くあらわれる。症状の面からみると、躁状態ははしゃぐ(ヽヽヽヽ)状態であり、うつ状態は悲しがる状態で、まったく相反する形であるが、病気そのものは同一の性質を持つものである。世間でも明朗(めいろう)でいつもゲラゲラ笑っている人が急にふさぎこんだり、自殺をしてしまったりすることはよくみられる。

あなたの気分のムラはなぜ起るのか?


 次にうつ状態と躁状態とに分けて、三日坊主のあらわれ方を考えてみよう。

 人間の気分はたえず変化し、揺れている。たとえば、起床時にどうも気分がすぐれないとか、頭が重いと感じていても、朝食が終る頃にはいつの間にか不快な気分がとれていることもあるし、愉快な映画をみてゲラゲラ笑っていた人が、映画館を出たとたんに石につまずいて腹を立てたり、嫌いな人に出会って不快になったり、またしばらくたつと気分がほぐれたり、という状態をくり返している。

 図2では、気分の正常水準は直線で示されているが、これは厳密にはたえずかすかに揺れ動いているのである。しかもこの変動は、石につまずいたとか、映画をみたとかの状況によって左右されるばかりでなく、生理的に変動をくり返しているのである。ただその程度があまり常軌を(いつ)していなければ、気分の変動はその人の行動特徴とはならない。

 図2には気分の正常水準より下に、うつ状態の曲線が描かれ、それと対照的に水準より上に躁状態の曲線が描かれている。これをみても分かるように、憂うつな気分にしても愉快な気分にしても、スムーズにその傾向をたどるのではなく、日によって、あるいはその瞬間瞬間に、気分はよかったり、悪かったりをくり返しながら、大きな目でみると次第にうつ状態になったり、躁操状態になったりする。状態が正常にかえる場合にもこのことは同じようにいえるのである。

 しかもこの気分の細かい変動は、病気の初期と軽快期にはっきりあらわれることは留意しなければならないことである。この気分変動の激しい時期には、患者は非常に移り気になる。調子がよい時にはいろいろと計画を立て、堅実で発展性のある毎日を送ろうと決心するが、次の瞬間にうつ状態の谷間におちこむと、頭の回転がにぶくなり、健全で人並みな毎日はとても送れないとショゲてしまう。

何となく不愉快になるあなたのうつ病度をチェック


 クレイネスというアメリカの精神科医は、うつ状態を図2のように六つの病期に分けて、その時にあらわれる症状を次のように説明している(図2を参照)。


〔病期

 たいくつだ。何となく不愉快である。むら気が多い。物事に興味がもてない。厭世感(えんせいかん)にとらわれる。自信がない。劣等感に打ちのめされる。自分の存在が周囲の者に迷惑をかけはしまいかという罪責感(ざいせきかん)と恐怖感を感じる。他人に強く同情する気持が()く。無関心になる。注意が散漫(さんまん)になる。優柔不断だ。根気が続かない。ぐずぐずしている。精神身体的な訴えをする。このような症状についての恐怖感を持つ。軽度の疲労を感じる。朝早く目ざめすぎる。食欲が減退する。日中の気分変動が多い。

〔病期

 強い憂うつ感にとらわれる。外からの刺激にも感動しない。ぼんやりしている。自分を無価値だと思う気持が強い。強い罪責感を感じる。希望を喪失(そうしつ)する。突発(とつぱつ)的にイライラした気持や腹立たしい気持になる。精神病ではないかという恐怖感を持つ。死にたい気持にかられる。自分が無能であるという感じがする。決断力がまったくない。興味がなくなる。注意力がいちじるしく減退する。物忘れがひんぱんになる。忘れていた過去の出来事を思い出してクヨクヨ悩む。考えがまとまらない。強い疲労感に襲われる。不眠と早朝の目ざめがいちじるしく、苦痛である。不快な夢をみる。食欲が喪失する。体重が減少する。性欲がおとろえる。単純な仕事以外のことはできない。ろくな仕事ができない。人中に出たがらない。急激な気分の変動がある。人の気持ばかりをうかがっている。

〔病期

 うつ状態が強い。人に援助を求めず絶望的である。精神的な苦痛に身もだえする。完全に無感動になるか、または非常に興奮する。死にたい気持が強くなる。くどくどと同じことを訴える。イライラ感や腹立たしい気持はなくなる。自罰傾向が生ずる。自殺を(くわだ)てる。頑固な不眠になる。食欲が喪失する。身なりにかまわない。自ら進んで何かをしようとする自発性が消失する。悪夢をみる。無口になる。虚無(きよむ)的になる。気分の変動はみられない。

〔病期

 回復のきざしがみえる。激しくひんぱんに気分変動がある。助けを求め出す。考えがまとまらない。病期の時よりもイライラ感が強い。自殺企図の可能性がある。他人の意見に耳かさない。相手に嫌悪(けんお)感を持つ。見た目には生き生きとして行動的である。主観的には気分は変らない。疲労感が連日のように続く。睡眠はいくらか改善されるが落着かず早く目がさめる。食欲が増し、体重が増加する。精神身体的な訴えをする。
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