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10万円からできる! お金の守り方教えます
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経済・金融
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第2章 財政破綻の想定シナリオ

『10万円からできる! お金の守り方教えます』
[著]香川健介 [発行]二見書房


読了目安時間:56分
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 またまた突然ですが、クイズです!


Q:日本の敗戦は1945年です。では、この年の日本のインフレ率(物価上昇率)はおよそ何%だったでしょう?


100% ② 250% ③ 500



 正解は、③の500%です。


 第二次世界大戦の敗戦に伴い、日本では実質的な財政破綻が起きました。


 その結果、物価は1年で500%以上まで上がったのです。



 コンビニで売ってるおにぎりやジュースが、1つ500円を超えたくらいになった世界を想像してみてください。


 日本に住む私たちは普段、「モノの値段はあまり変わらない」というイメージを持っています。


 しかし、モノの値段は、上がるときにはとんでもなく上がるものです。


 この章では、日本の財政破綻とハイパーインフレの可能性について見ていきます。


 日本国債を取り上げながら、日本の財政がこれからどのような道を歩んでいくか、破綻するとしたらどんな流れをたどるのか、考察します。


国債が売られると金利が上がるのはなぜか、直感的に説明する


 いよいよ財政が危ないとなったとき、どんなことが起きるのでしょうか?


 結論からいうと、金利が上がります。


 金利が上がるとなぜ危険なのか、直感的に説明してみましょう。


 もし、日本の超お金持ちの人、たとえばユニクロ創業者の柳井正さんと、この文章を書いている私の二人が、あなたの目の前にいたとします。


 この柳井さんと私があなたに対し、「100万円を貸してほしい」といったとします。



 あなたは、柳井さんと私、どちらにお金を貸しますか?



 おそらく、柳井さんに貸すはずです。


 柳井さんのほうが私よりもお金をいっぱい持ってるので、返してくれる可能性が高いからです。


 もちろん私も借りたお金はちゃんと返す人間ですが、客観的に見ても私より柳井さんのほうが金銭的な信用力は高いです。



 ですが、私はどうしてもお金が必要で、あなたからお金を借りなければなりません。


 なので私は、「私はあなたに年利5%の金利を払います」といいます。


 もし柳井さんが年利1%しか金利を払わないといったら、あなたはどうしますか?



 もしかしたら、柳井さんより私にお金を貸すかもしれません。



 金利が高いってのは、つまり信用力が低い分を、高い金利でカバーしてるって意味なんです。


 これは、国にもあてはまります。


 金利が高い国は、つまり信用力が低いということなのです


 このあたりのことを、もう少し詳しく説明してみます。



 まず、とりあえず理屈はおいといて、「金利と国債価格は反比例する」と覚えてしまってください。

(このあたりの理屈はもう理解しているよという方は、この節は飛ばしていただいてOKです)



 金利が上がるとき、国債は売られています。


 金利が下がるとき、国債は買われています。


 国債価格が上がるときは、金利は下がっています。


 国債価格が下がるときは、金利は上がっています。


「え……どうして……?」と思う方も多いでしょうが、そういうものなんだと、まず覚えてしまいましょう。



 覚えていただけましたか?



 そうしたら、国債が売られたら金利が上がる理由を、直感的に書いてみます。


 もしわかりづらければ、文章を読みながら、紙に自分で図を描いていただくと、理解が深まると思います。


 また、もし以下の説明が理解できなければ、「金利と国債価格は反比例する」とだけ覚えて、次の節に行ってしまっても構いません。

(なお、金融に詳しい方は、細かい説明がいろいろ抜けてるじゃん! とお怒りかもしれません。あくまで今回は初心者の方に直感的な理解をしてもらうため、大幅に簡略化しています)



 まず、ここにA国があります。


 A国は、財政がすごく健全な国です。経済も好調で、社会保障問題もありません。


 あなたは10000円でA国の10年物国債を買ってみます。


 10年物とは、10年後に10000円が戻ってきますよ、という意味だと考えてください。


 このとき、A国政府は、

「私たちA国の国債を買ってくれたら、私たちA国政府は、A国の国債を持っている人に、10年間は毎年100円の利息を払いますよ。


 また、10年後は10000円で、その国債を、A国政府が買いとるよ。つまりずっと持ってたらあなたに10000円が戻ってきますよ」


 と約束します。



 A国政府はこの100円を「私たちは毎年絶対に払うよ!」と約束しています。


 また、「10年後に10000円をお返ししますよ」とも約束しています。


 この2つの約束を守らなかったら、A国は信用を一気に失います。



 あなたは10000円をA国政府に払い、A国政府から10000円分のA国国債をもらいます。



 A国政府はあなたから10000円をもらいます。


 A国政府は、受け取った10000円で、道路工事をしたり年金を配ったりと、いろんな政策をします。


 1年たつと、A国政府は、あなたに100円を払います。


 これが10年間は毎年続きます。


 あなたは何もしなくても、10000円払ったら、毎年ぜったい100円入ってくるのです。


 また、10年たったら、最初に払った10000円も返ってきます。


 合計で100円×10年+10000円=11000円が返ってくるのです。


 10000円をA国政府にはらって、合計で11000円もらえることになります。うれしいですね。



 このとき、あなたは合計で1000円÷10000円=10%儲かることになります。


 A国の国債を買うということは、毎年100円ゲットする権利を得ることと同じ意味になるからです。



 しかし、A国は放漫財政に走るようになり、財政が悪化しました。


 もはや、債務不履行(デフォルト)の瀬戸際まで追い込まれています。


 ちなみに、債務不履行とは、借金踏み倒し宣言です。「もうA国は財政破綻したのでお金払えませんよ」ということです。



 A国の国債を持ってるあなたは、不安になるでしょう。


 A国に10000円払ったのに、帰ってこなくなるかもしれないからです。


 また、毎年100円もらってた分も、もらえなくなる可能性もあります。


 そうなると、A国の国債は紙クズになってしまいます。



 あなたは、手元にあるA国国債をどうしますか?

「こんな危ない国債、紙クズになる前になるべく早く手放したい!」と思うはずです。


 というわけで、売ることにします。


 世の中には、A国の国債を売買する市場があります。魚市場の競りや、ヤフーオークションのようなものをイメージするとわかりやすいです。


 あなたは国債をカバンにつめこみ、この市場まで歩いていき、「私が持ってるA国国債を、誰か買ってくれや~」と呼びかけました。



 そうすると、「じゃあ5000円なら買ってやるよ」というBさんが現れました。



 あなたは10000円でA国国債を買っているので、「えっ、自分は10000円で買ったのに、5000円かよ……。差額の5000円分損しちゃうじゃねえか……」と、内心悲しい気持ちになります。


 なので、あなたは「もうちょい高く買ってくれませんかね? たとえば7000円とか……」といってみます。


 すると相手のBさんは「いや~気持ちはわかるけど、A国はつぶれそうなんだよね。みんなヤバイヤバイといって売りまくってる。自分もA国はヤバイと思う。けど、自分はA国は復活すると信じる。10000円なら高くて買わないけど、5000円くらいなら払ってもいいと思ってるよ。他の債券投資家たちも、みんなA国の国債は5000円だっていってるし」といいます。


 A国国債の競りのオークション価格を見ると、たしかにちょうど売りたい人と買いたい人が5000円のところに集中しています。


 つまり、A国の国債は5000円の価値があるとみなされているということです。



 Bさんは「A国国債はヤバイけれど、まぁ5000円程度の価値はあるだろう」と値踏みしているのです。


 あなたは、「A国はいつ財政破綻してもおかしくないし、A国の国債は紙クズになるかもしれない」と思っているので、なるべく早く売りたい。


 つまり、あなたと相手のBさんとは、A国国債の今後について、予想が違うのです。


 紙クズになると予想しているあなたは、「紙クズになるよりはこのBさんに5000円で売ったほうがまだマシだ」と考え、Bさんに5000円で売りました。



 このあと、もし10年後にA国が復活し、経済が絶好調になった場合、5000円で買ったBさんは10年後、100円の利息×10年分の1000円の利息を得ることになります。


 A国は破産しなかったので、A国政府は5000円で買ったBさんに対し、毎年100円を払いつづけることになるからです


 また、A国が破産しなかったので、A国国債は、10年後に10000円でA国政府が買い取ってくれます。


 ですので、A国国債を5000円で買ったBさんのところには、この1000円の利息と10000円の買い取り分の、あわせて11000円のお金が入ってきます。


 よって、Bさんは5000円を出し、10年後に11000円ゲットできたのです。


 11000円÷5000円=2・2倍に増えたことになります。


 Bさんは、A国国債が暴落し5000円になったときに買ったので、その後A国が復活したときに、投資したお金の2・2倍が返ってきたのです。



 もし10000円のときに買ったものをそのまま持ってたら、10年間でも100円×10年=1000円分、つまり1000円÷10000円で10%しか儲からなかったはずです。


 10%と120%では、かなり違います。



 国債の世界では、「国が借金踏み倒しをしないという条件のもと、この国債を最後まで持つと、最終的にいくら儲かるか?」という考え方をします。


 A国が破産して借金踏み倒しするかしないか怪しいとき、BさんはリスクをとってA国国債を買ったのです。5000円のとき、Bさんは勇気を出して5000円で買いました。


 その勇気の見返りに、Bさんは投資金額が10年で2・2倍になったのです。



 なお、A国が危なくて、A国国債が5000円のとき、A国がもっと国債を発行したいとしたら、どうなるでしょう。


 1年100円を10年支払い、かつ10年度には10000円を支払わないといけない国債の価格は、5000円です。

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