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脳の休ませ方
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第3章 脳を休ませる方法

『脳の休ませ方』
[著]米山公啓 [発行]PHP研究所


読了目安時間:36分
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 1 ストレスから守る


 ストレスは脳にとって最大の敵である。こころやからだにかかってくる外からの力、つまり心配事や、不安感、肉体の疲労などが長く続くと、脳へのストレスになってくる。

 ストレスが短期間のものであれば、からだの中にはアドレナリンが増えて、心臓も活発に動き、からだ中に血液を送り出して、自分の持っている能力をできるだけ引き出そうとする。しかし、車と同じでずっとアクセルを踏み続けていれば、次第にオーバーヒートしてしまう。

 つまり、ストレスが長く続く──ずっと仕事をやらなければいけないとか、期限が迫ってきて、なんとか間に合わせようと努力をしなければならない、などという状況になってくると、ストレス過多になり、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンの分泌が誘導される。こうなると、からだの免疫力が低下し、脳では神経細胞、とくに海馬(かいば)の神経細胞が壊されることがわかっている。

 ストレスが長く続くことで、肉体も脳も非常にマイナスな状況に(おちい)っていくことになるのだ。

 ストレスを早く回避すること、それが脳を守ることになる。


 ●ストレスと脳の関係

 ストレスと脳の関係は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)という病気により、関係が明確にされてきた。

 強いストレスにさらされると、その後、長期間持続するストレスによって、精神的苦痛が長く続く。これは、アメリカのベトナム戦争や湾岸戦争の帰還兵の研究によってわかってきたことだ。

 1995年、ブレムナーらはベトナム退役軍人でPTSDを発症した患者の海馬に萎縮が見られることを報告した。

 また、幼児期の性的虐待によってPTSDを発症した患者は、海馬の左側が平均12%小さくなっているという報告もある。

 このように、ストレスによって海馬に変化が起きる、つまり脳がダメージを受けることが証明されてきた。また、うつ病でも海馬の神経細胞が減り、治っていくとそれが復活することがわかっている。

 前述したように、長く続くストレスを抱え込まない環境、あるいは、ストレスを抱えたときには早くそれを回避できるような措置(そち)が必要になってくる。

 まさに、それが脳を休める方法にほかならないのだ。



 2 リラクゼーション


 自律神経には交感神経と副交感神経がある。交感神経はストレスが高まった状態のとき反応し、からだを最もがんばらせるよう働きかける。副交感神経は内臓を刺激して、消化を活発にする反面、心臓、呼吸の働きを抑える役目をしている。

 つまり、リラックスとは、交感神経優位のからだとこころを副交感神経優位にするということだ。

 落ち着いて深呼吸をしたときに脈拍数も下がるというのは、副交感神経が働いているということなのである。


 ●深呼吸をする

 私たちは無意識のうちに深呼吸をして、気分を落ち着けているときもあるし、逆に無意識のうちに呼吸が速くなってしまい、息苦しくなることもある。

 つまり呼吸は意識しないでも自動的に調節されているということだ。

 逆に、意識してコントロールすることも可能だ。自律神経でありながら、腹式呼吸などをして副交感神経を刺激することができるというわけだ。

 緊張してくると呼吸は浅く、胸だけの呼吸になりがちである。そこで、お腹を意識した腹式呼吸をすると、リラックスできる。

 ヨガなどは、そういったからだのフィードバックと呼ばれる機能をうまく利用している。

 実際に深呼吸をするだけで心拍数が下がってくる。このことからも、いかに呼吸と心臓の働きがリンクしているかがわかる。

 呼吸が大切とよく言われるが、これは自分でコントロールしやすい自律神経機能だからだ。

 まず深呼吸。ここからからだを休ませることを始めるべきだ。


 ●アロママッサージ

 アロマの香りとマッサージの両方の癒し効果が期待できるとして、アロマオイルを使ったマッサージは、いまやブームとも言える。

 ただ、アロマの香りでどこまで実際にリラックスできるか、医学的には実証が非常に難しい。

 というのも、アロマオイルの知識のあるなしでその効果が違ってくるし、使い方によっても効果に差が出てしまうからだ。

 それでもバラの香りがドーパミンを放出させ、快感中枢を刺激することは、研究で証明されている。

 また、ラベンダーによるリラックス効果についても少ない症例であれば、多くの実証実験がある。

 たとえ、それがプラセボー効果(偽薬効果=本物だと信じ込むことで偽薬でも効果が現われること)であったとしても、本人がリラックスしているという事実があれば、アロマの香りはリラックスさせるには十分な方法と思われる。

 またマッサージは、リラックスさせる方法として一般的に行われている。

 ただどうも筋肉のコリを取るとなると、強いマッサージが好きな人が多いが、翌日にもみ返しが起きているとすれば、それは筋肉の組織がマッサージによって壊れている証拠である。

 リラックスのためには、そんなに強いマッサージは必要ない。血流を改善させるとしても、ソフトなもので十分だと考えられている。

 重要なのは、指先の動きのスピードである。すばやい動きは、かえって皮膚からの刺激で交感神経を刺激してしまう場合がある。

 遅い速度でマッサージを受けた場合、皮膚の触覚として働く神経が違うことがわかっている。

 ゆっくりとした動きのマッサージが副交感神経を刺激して、リラックスの度合が強くなるのだ。


 ●音楽を聴く

 音楽を聴くことは、だれもがリラックスしたいときに使っている方法ではないだろうか。

 無意識のうちにiPodの電源を入れて聴いていたり、BGMのように常に音楽が流れているかもしれない。

 しかし、最近ではあまりに簡単に音楽を聴くことができてしまうので、聞こえて当たり前になり、昔のようにレコードに針をおろすといった儀式のような行為がなくなってしまったのは残念だ。

 本当の意味でリラックスするために聴くということをしなくなっているのではないだろうか。

 音楽は聴いているという意識がないと、記憶に残っていかない。リラックスするためには、音楽そのものにのめり込み、音楽によって脳が刺激を受け、仕事のことや、心配事を少しでも忘れる瞬間を作るべきであろう。

 そのためには、自分の好きなJAZZの1曲などを聴き込むということが必要になってくる。つまり、自分はこの曲でリラックスできるという習慣を作ってしまうのだ。

 NEW AGEと呼ばれるジャンルがある。日本ではヒーリング・ミュージックと言われている。

 電子音楽や、尺八など東洋系の楽器で演奏されていることが多く、瞑想やSPA、マッサージを受けるときのBGMとしてよく使われている。
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