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マキャヴェリの経営語録
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第四章 反乱を防ぐの巻

『マキャヴェリの経営語録』
[著]唐津一 [発行]PHP研究所


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  36内紛をかかえた国は容易に占領される。(第二十章)


 国家であれ、企業であれ、組織と名のつくものには、権力者に対する反乱の危機がつねに存在している。反乱は、君主にとって、鎮圧するのがやっかいなだけではない。反乱によって内部分裂を起こしている国は、いとも容易に外国勢力に占領される危険にさらされている。なぜなら、強大な軍隊を有する権力者に対抗しなければならない反乱者は、かならず第三勢力をひきいれるからである。

 これを賢明にも見抜いたおかげで、虎口(ここう)をまぬがれた話がある。明治維新当時の徳川幕府と朝廷グループとの戦いは、ようやく日本に触手をのばしはじめたヨーロッパ諸国、とくにそのうちでもイギリス、フランスの二国にとっては、絶好の目のつけどころだった。両国は、この相争う二大勢力に味方をして、実権を握ろうとしていた。これを慧眼(けいがん)にも見抜き、外国勢力の進出をくいとめた当時の指導者たちは、いまからみて、わが国の歴史上まれにみる功労者であるといわねばなるまい。

 しかしながら、このような成功は、例外的なものであって、歴史的にみるとき、内乱は外国勢力をひき入れることになり、けっきょくは、両方とも外国勢力に圧倒されるのがふつうである。

 スペイン内戦において、共和国政府軍、フランコ派ともに外国の勢力にたよったために、スペインは各国の兵器の試験場になってしまった。そして、国民は悲惨な運命の前にたたされることになった。

 ヘミングウェイの『()がために鐘は鳴る』は、彼自身の従軍経験をもとにして書かれたものだが、ほかの勢力を引きいれることの悲惨さを物語っている。スペインは、あと押しをした勢力が第二次大戦によって自滅したために、いちおう独立を維持できたが、それが逆であれば、どのような運命となったかわかるまい。

 第二次大戦後、つぎつぎと鉄のカーテンの内側に引き込まれた国にも、これに似た例がある。それが、アメリカのソビエトに対する根強い不信感のひとつの原因にもなったわけだ。

 中国においても、この愚行が数多く繰り返されたとみえて、有名なつぎの主旨の文句が、いましめの意味で残されていることは、ご承知のとおりである。
「兄弟は垣根内ではけんかをしても、外敵には一致してあたれ」

 企業においても例外ではない。社内の勢力争いは、社内にとどめているあいだは、なんとかボロを出さずにすむ。しかし、外部の勢力を導き入れると、たちまち破滅の(みち)をまっしぐらに突き進むことになる。

 また、政党、労組の分裂さわぎにも、外部勢力を内輪げんかにひき入れたために引き返し不能なまでに突っ走ったというのが、はなはだ多い。よそからみるとコップの中の嵐にすぎないものが、このことによって最悪の事態にまで突入してしまうのである。しかもおかしなことに、内輪もめというのは、本人たちが真剣であればあるほど、第三者から見て、ばかげているものである。ばかげているからこそ、第三者をひき入れると、ひとたまりもなく分裂、または乗っとられてしまうのであろう。
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