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第3章 家族の絆を深める

『新たな人生をひらく 2』
[著]鏡久美子 [発行]PHP研究所


読了目安時間:38分
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夫婦ふたりで二人三脚

新リンパサロン練馬北 安川(のぞむ)さん・安川悦子さん


付き添いのつもりだったが受講を決意



 食品会社に勤めていた安川希さんは、2009年に52歳で早期退職をし、その後は自宅でパソコンを使った仕事をしていました。妻の悦子さんは、当時を振り返って、

「主人は仕事がどんなに忙しくても、休みになると家族をどこかに連れて行ってくれました。子どもが成長した今では、ふたりでドライブに出かけたり、温泉に出かけたり、デパート巡りを楽しんだりしています。近くのスーパーへもいつも一緒で、それが当たり前の毎日なんです」


 そんなおふたりですから、希さんが早期退職を決めたときも、悦子さんはこれからの生活をどうしようかという不安より、「新しいことにチャレンジする主人を常に側で応援できる」と嬉しかったとおっしゃいます。


 そんな仲のいい夫婦に衝撃が走ったのは2013年のことでした。区民健康診断で悦子さんに乳がんが見つかったのです。希さんは、

「初期のがんなので、手術をして一週間も入院すれば大丈夫。元気印の妻だから、きっとまたすぐに元気になると信じて疑いもしませんでした」


 ところが、退院予定前日、医師から思いもよらない言葉を告げられたそうです。

「細胞をもっと細かく切って検査をしたところ、リンパ節にもがんが転移しているので、再手術が必要だと。目の前が真っ暗になりました。これまで気丈にふるまっていた妻の泣き崩れる姿に、ただただ体を支えることしかできませんでした」


 1回目の手術は右乳房全摘、2回目の手術はがん周辺のリンパ節を切除することで再発を防ぐリンパ節(かく)(せい)手術だったそうです。さらに、退院後は8クール7カ月間の抗がん剤治療が待っていたとのこと。悦子さんは、

「病院で、乳がん手術後はリンパ浮腫に気をつけるようにという説明がありました。私の場合、リンパ節郭清手術を行っているため、特に注意が必要なのだとか。その時はじめて、人間の体には血液と同じようにリンパ管の中をリンパ液が流れており、栄養素や老廃物を運んでいるんだと知ったのです」


 とおっしゃいました。悦子さんの苦しみは、手術後も続いたそうです。

「リンパ節を取った側の腕は、傷や火傷や虫さされ、さらには日焼けも禁物。重い物を持ってはいけないし、家事などを頑張りすぎるのもいけないなど、日常生活での制約が本当に多いのです。そこで、自分の置かれた状況を知るためにも、また、自分の体のためにも、リンパについてもっと詳しく知りたいと思いました」


 悦子さんが当時の状況を説明すると、希さんも、

「抗がん剤治療が終わってからちょうど半年が過ぎた頃、妻が『新聞広告で新リンパ療法無料セミナーを見つけたから、行ってみたい』と言ったのです。治療の副作用で体調が全く戻っておらず、銀座の学院へひとりで行かせるには無理がありました。私はすでに退職して自宅で仕事をしていましたから、時間の都合はつけられます。そこで、一緒に行くことにしたのです」


 希さんに、「体調が回復してから行くように」とか「今の体調では無理」と無料セミナー参加を止める発想はなかったようでした。いつもふたりで出かけていたように、「行きたい」と言われたら、自然に「一緒に行こう」と言っていたのだそうです。

「実は、リンパについて詳しく教えてもらえるのかなと思って、主人を誘ったんです。ところが、セミナーを受講してみると、『リンパの巡りを良くするために、体のゆがみを矯正する』という内容で、施術の説明が主でした。リンパを何とかしなければと思っていた私は、自分できちんとケアすれば、安心して日々が過ごせると、目から鱗が落ちる思いで聞きました」


 一方、希さんも、

「無料セミナーで講師が言った『リンパ液の流れを整え、本来人が持っている自然治癒力を引き出す』『なるべく薬やメスを使わず』という言葉に感動しました。また、新リンパ療法を主宰するWCIグループのスローガンになっている『世界の病に苦しむ人を半分にする挑戦』にも強く心を揺さぶられたのです。無料セミナーを聞いて、新リンパ療法にはまったのは、妻よりもむしろ私のほうでした」


 結局、セミナー後、迷うことなくふたりで一緒に受講申込みをしたのです。


妻は夫を、夫は妻を陰で思いやる



 新リンパ療法の講座を受講することで、いずれはサロンを開業できるという事実は知らなかったふたり。ところが、それを知った悦子さんには、もうひとつの思惑が芽生えてきたそうです。

「実は、今まで誰にも言わなかったのですが、今回、書籍のインタビューという機会をいただいたので、打ち明けることにします」


 そう言って、口を開きました。

「主人はあまり社交的な性格ではないため、退職をしてから、自室にこもりきりになっていました。もちろん、仕事でパソコンと向き合っていたからなのですが、私にはそれが気がかりでなりません」


 さらに続けて、

「もしも、私に万が一のことがあり、不幸にも亡くなってしまったら、主人はどうなるでしょう? きっと、誰とも話をせず、ずっと部屋にこもっているに違いないのです。人と会って話をすれば気持ちも紛れますし、いろんな意味で刺激にもなり、人として成長します。ですが、出かけることもせず、ひとりでいたら、あっという間に老いてしまうに違いありません。私はそれが心配でした。


 ところが、無料セミナーを受講したところ、主人も新リンパ療法を学ぶと言ってくれたのです。さらに、新リンパ療法を学べばサロンを開業できることが分かり、何かに導かれたような思いがしました。


 サロンを開業することができたら、お客さまが来てくださいますし、気分的にも慰められるでしょう。寂しくなったら、おしゃべりもできるはずです。主人はお客さまに救われるに違いない。だからこそ、私も新リンパ療法の勉強を頑張って、何が何でも主人のために開業したいと思いました。講座を受講することこそ、主人が他の人とつながる第一歩なのです。


 主人を置いて私が亡くなるなど、絶対にあってはならないこと。ですから、今まで私のこの決意は、主人に話してはいませんでした。無料セミナーの広告を見つけた時点で、自分自身が新リンパ療法に興味があったのは確かです。しかし、多分、ひとりで受講をしていたら、サロン開業にまでは至らなかったと思います。すべて、主人のためなのです」


 はじめて聞く悦子さんの思いに、希さんは言葉が出ませんでした。目頭を熱くしながら、

「そこまで考えているとは思ってもいませんでした。私は、少しでも妻が楽になるなら、それで良かった。そのためには、自分が技術を身につけて、妻に施術してあげたかっただけなのです。受講を申し込んだときは、その思いしかありませんでした。もちろん、老後、ふたりで何かを一緒にできたらいいなという思いもありましたが」

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