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なぜ心が病むのか
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近ごろの少年犯罪

『なぜ心が病むのか』
[著]町沢静夫 [発行]PHP研究所


読了目安時間:15分
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  精神面から見たコンクリート詰め殺人事件


 かつて、綾瀬のコンクリート詰め殺人事件が、テレビをはじめ新聞などのマスコミをにぎわした。この事件は、無職の少年Aを中心とした四人の少年たちがF少女を巧妙に拉致し、C少年の家に監禁したものだ。そのFさんは四十一日間そのまま拘束され、ついにはなぶり殺しにされた事件である。しかもコンクリートに固められて葬られたのである。この残虐さは多くの人に衝撃を与えた。と同時に、なぜ監禁された家の親が何らかの手を打たなかったのかと強くマスコミから非難された。

 いじめや不登校、家庭内暴力、さらに落ちこぼれが教育界で問題になっていたが、この事件はそれらのスケールをはるかに超える事件であり、現代都市の家庭崩壊、地域社会の崩壊とモラルの崩壊を一般の人たちに強く感じさせたものである。

 私も精神科医として、また人間として、ずっとこの事件に注目していた。私のような職業人でも、犯罪の経過を聞くことはあまりにも痛々しくて辛く、やりきれない思いに襲われたものであった。

 一人ひとりの少年の家庭は、なるほどそれぞれに問題があったにしろ特別に変わっていたわけでなく、現代では極めてありふれた部類に属するものと思われる。離婚とか、あるいは夫婦仲が悪いといった問題が彼らの家にはあったが、これもまた、現代には実によくあることで、決して特殊ではない。少なくとも私が受け持ってきた患者さんには、ありふれている。

 このような犯罪が起こるのは、親の養育態度が悪いのだろうという論議が主になされる。確かにそのとおりだと思う点もある。しかし、他方で、いかに親がしっかりしていても、この種の人間が出てくることは否定できないともいえる。

 したがって、親や学校といった環境ばかりに原因を見つけようとすることは公平さを欠くものである。
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