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人生を支える聖書のことば
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生き方・教養
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神の“ことば”とはなにか

『人生を支える聖書のことば』
[著]ピーター・ミルワード [訳]別宮貞徳 [発行]PHP研究所


読了目安時間:14分
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 イエスは、教えの中でいつも人びとに神のことばと神の意思を伝えることを心にかけています。その教えの根本を聖なる書、つまり旧約聖書に含まれた神のことばにおいているからです。敬虔なユダヤ教徒だったイエスは、聖書を、神の意思をあらわしたことばとして受け取っていたのです。私のいうことは単に私の口から出るのではなく、父から出るのだ、それも、父が聞く人には縁のないわたくし事として語るのではなく、誰もが読んで調べることのできる公の書物(聖書)の形で書かれているのだ、とイエスは主張します。聖書に見いだされることと自分を一致させ、単に神のことばを預言者あるいは代表者として語るのみならず、自分が神のことばであるとさえ明言するのです。


50 天地は滅びるが、わたしのことばは決して滅びない。

       (マタイ2435、マルコ1331、ルカ2133、イザヤ40・8参照)


 日本の哲学に限っていえば、その根本原理は「無常」でしょう。日本人は芸術の国民。その哲学は芸術の哲学。そしてすべての日本の芸術の根本には無常の哲学があります。無常とは、地上には長く残るものはなにもない、すべて過ぎ去る、という考え方です。これはとりわけ人のいのち、そして動植物の中でも人生に結びついたものの特徴となっています。山や川、陸や海など、人生の背景をなすものも、比喩あるいは対照によって、人生のはかなさを強調するのに役立つのです。これらはすべて合して無常のイメージを形づくる ―― 深山に発した川が平地を流れ流れて海に注ぎこむように。

 この哲学には、憂愁と悲哀が深く影を宿しています。芸術哲学として、それはものごとの美しさに目を留め、過ぎ去る瞬間にその美がもっとも美しいことを見いだすのです。たとえばサクラの花。サクラは枝に咲いているときではなく、ひらひらと散るときがいちばん美しい。そして、単にサクラそのものだけではなく、人間にかかわるすべてのもののイメージとして、散るサクラが意識される。大学入試不合格通知の電文にさえ「サクラチル」が使われているくらいです。

 こういう考え方、運命を悲しむ感覚を、多くの日本人は、自分たち独特のものと考えているようですが、はっきりいって、西洋の哲学にも同じ流れがあり、ギリシア・ローマの古典文学にまでそれはさかのぼります。しかし、西洋哲学がそれと異なるものとなったのは、東洋の聖地から到来したキリスト教の影響です。こういう考え方は、イエスの教えとはまったく相いれない。
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