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無縁社会の正体
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政治・社会
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2 子育てに問題が生じている

『無縁社会の正体』
[著]橘木俊詔 [発行]PHP研究所


読了目安時間:16分
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親が子どもを育てる意味とその脆弱化


 人間が唯一自分の意思で決められないことは、自分の誕生である。大半の人は、両親の合意のもとにこの世に生誕する。しかし、両親の合意とはいえ、望まれた人として誕生することがほとんどではあるが、望まれない星のもとに生まれてくることもあるし、不幸にしてこのような不幸な子どもの数が増加している。

 わが国の場合、法的に結婚している夫婦が両親として存在するケースが大半であるが、国によっては両親が法的に結婚していない場合や、母親だけは特定できるが、父親が特定できないケースもある。これらのケースは必ずしも発展途上国だけに特有な現象ではなく、欧米のような先進諸国においても、婚外子といわれる子どもの誕生例は多い。

 最悪なケースは、子どもが誕生して、すぐに棄てられて育てる人がいないケースである。日本でも「赤ちゃんポスト」が導入され、すでに機能していることがそれを象徴している。

 最近明るみに出た事件として、二〇一〇年七月の末に離婚した若い女性が、一人で二人の子どもを育てていたが、一ヶ月間も子どもに食事を与えず、本人は風俗業で働きながら自分のしたいことをしていて、結局子どもは二人とも死んでいたという悲惨な事件が大阪で発生した。子育て放棄の親が世の中にいることを知らしめ、人々を震撼させた。家族の絆が脆弱化していることを、多くの日本人が知ることになった象徴的な事件であった。

子育てに苦労する若夫婦の問題


 このように人の誕生は、自分の意思で生まれてくるのではないこと、生む親の種類にはさまざまなケースがあることを認識する必要がある。大半の親は自己の意志と責任で子どもを産んだのであるから、その子が成人するまで養育する義務を感じていることはたしかである。まれに子どもの養育を放棄して、親族に養育を依頼したり、養子に出す場合もあるし、棄て子や、育児放棄による死亡という悲惨な結末もある。

 親が子どもの養育に専念するのは、自分の意志で誕生させたのであるから、博愛主義ではなく当然の義務として、社会が親に課した暗黙の掟である。
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