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リクルート式 1人1000万の利益を生む人の創り方
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ビジネス
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7章 本音のコミュニケーションができるワケ

『リクルート式 1人1000万の利益を生む人の創り方』
[著]小原瑞穂 [発行]PHP研究所


読了目安時間:29分
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 さて、今まで話してきたことだけでは、ただの仲良しグループになってしまう。しかし各個人は、すでに仕事の意義を知り、自分の仕事にこだわりを持っている。仕事を成し遂げるためには、本音のコミュニケーションが必要になる。

 ここでは、その本音のコミュニケーションがどのように形成されていくのかについて触れていくことにする。

言論自由の保障


 リクルートはコミュニケーション量が多い。これは、自然発生的に高まるのではなく、活性化するように努めているのだ。

 まずは、発言しやすい環境要因である言論の自由が保障されている。もし、この保障がなければ、コミュニケーション量は極端に減るであろう。もっとも、かつては社員二〇〇〇人のリクルートに、一〇〇〇人の新入社員が入るような時代があった。自ら声を上げなければ気づいてもらえないのも事実であった。誤解される前に付け加えておくが、声を上げれば、こちらが驚くほど手を差し伸べてくれる。そんな不思議な会社でもある。

 あるとき、言論の自由が保障されていることを表す象徴的な出来事があった。

 当時、リクルートは一兆五〇〇〇億近い借金を抱えていた。社長からの話は借金返済計画の話ばかり。社員や会社を守る立場としては当たり前ではあるが、そんな中社員たちはどこか悶々としていた。二〇〇〇年社員総会での出来事だ。

 課長三人によるスピーチである。
「俺たちは会社の借金を返すために働いているわけじゃない。自分たちのしたいことができる気がしてこの会社に入った」「会社がなくなることなんて、リクルート事件の時に覚悟している。それでも、俺たちはこの会社に残った。それは、この会社ならしたいことができるという期待からだ」「俺たちは、したいことをしてワクワクしていたいんだ」

 聞いていた社員たちも、これに賛同するように笑い、拍手をしていた。

 その直後に取締役がスピーチをした。さすがに、社員の間には多少の緊張感があった。
「普通の会社なら、今の者たちは来週の月曜付けで左遷でしょうね」

 要するに、「ここはリクルート。だから、何もお咎めしない」と即答したのだ。言論の自由はこのように保障されている。

 とはいえ、かなり際どいスピーチであることに違いはないため、それなりの工夫もしていた。「居酒屋XYZでのリクルート社員たちの会話」と題された芝居形式にしてあり、いざ何か言われても、それは役を演じたまでであり、課長三人は役者でしかない、となっていた。それでも、社長も含め、三〇〇〇人近くを前にしてのこのスピーチ、緊張はかなりのものだったらしい。彼らの話によると、芝居前、三人で本当に飲んで勢いをつけてから行ったそうだ。

 では、誰がシナリオを描いたのか? 誰が発案者なのか?

 それは当然彼ら自身である。三人の課長たちが飲み屋で「最近、何かワクワクしない。スカッとしない。大体誰が借金つくったんだ?」といわゆる愚痴を言っているうちに、「裏で言っていてもしょうがないだろ。そのセリフ社長に直接言えよ。俺も応援するから」となったのだ。リクルートには「言い出しっぺがやる」という不文律がある。故に、その場で配役も決まってしまったというわけだ。

 いくら発言の自由といっても、これは危険なんじゃないか、と言われる方も多い。しかし、社員たちはそれほど馬鹿ではない。だれも「会社なんて潰れてしまえ」と思って拍手をしているわけではない。当時、そこにいた社員たちは、すでに潰れかけている会社で、転職していく先輩たちを横目で見ながらも残った社員たちである。

 当時は借金返済・会社倒産の意識から、無意識に仕事へのエネルギーが萎縮していた。何かスカッとしないのは、何のために働くかが、「世のため・人のため」から「会社の存続のため」に切り替わっていたからなのだ。「本来のあるべき姿に戻ろう!」と改めて社員たちが気づき、拍手を送っていたのである。

 萎縮していたエネルギーは、これをきっかけに元に戻っていった感があった。借金を予想以上のスピードで返済できたのは、借金を背負った覚悟ではなく、むしろ、この発言をきっかけに、何のために働くか原点に立ち返ったことにあった。

 このように、発言の自由が保障されていることを、最もよく表すのが社報であろう。

・リクルートは、変化を好むと言う割には、堅い
・上司に過剰な期待をせず、利用するという発想
・リクルートは、女性をうまく使っているが、管理職にしようという意識がない。どちらか

 というと旧態依然としている
(社報「かもめ」より要約)


 このように、批判めいたものも発言者の実名入りで多く記事になっている。ご丁寧に顔写真まで入っているのだから笑える。発言によるお咎めがない証である。また、社内報に関しても、記者が掲載すべきと思えば会社確認を取る必要もない。

 言論自由の保障は、信頼関係の基にある。不満や不平も大いに結構とするその大らかさは、どんな事実でもできるだけ早く表面化させ、その上で不具合を改善すればいいと考えているからである。たとえば、5章のおとり広告と戦ったM部長は、何でも言える雰囲気を持っていた。だから、根っこにある大きな問題を早期に発見できたのだ。
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