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第一章 ホルモンの話

『からだに、ありがとう』
[著]伊藤裕 [著] やくみつる [発行]PHP研究所


読了目安時間:24分
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「ホルモン焼きとあながち
無関係でもないのか」(やく)

第一話  我々は、食べるために生きている!

 

 
今朝の体重、人生のマックスでした

 
やく !? 先生、サイダーをご持参ですね。

 我々の概念から言うと不健康の代表格みたいな清涼飲料水を先生もお飲みになる、と思うと勇気づけられます(笑)。
先生 いや、これはワケがありましてね。実は、私は毎日食べたもの、飲んだものを全部記録してるんですよ。
やく レコーディング?
先生 そうです。それをもとにカロリー計算をするんです。だけど飲み物については、ほかのものを飲んでしまうとわからなくなってしまう。それで、一日一本これだけを飲むんやと決めてるんです。そうすると、あとは食べ物の計測をするだけやから楽なんです。
やく なるほど。ご持参の清涼飲料水のウラには、そんな事情があったわけですか。
先生 僕の専門はホルモンと関係の深い内分泌代謝という分野で、患者さんには糖尿病の方がたくさんおられます。

 糖尿病はインスリンというホルモンが足らなくなるか、足りていても効き目が悪くなることで食べ物の糖分が利用されずじまいになり、余った糖分が血液の中に増えて健康に悪さをする病気です。食べ過ぎ、飲み過ぎの生活をしていると、利用されずじまいの糖分が増えて、それだけからだへのダメージが増すことになります。

 それで患者さんにはカロリーオーバーに気をつけるために、食べたもん飲んだもんを全部メモしてくださいって言ってます。それをもとに栄養士さんが計算するんですけど、私は患者さんが書かれたメモを一目見ただけで大体わかるんです。どれぐらいのカロリーかって。
やく それだけのワザに通じておられるということは、先生も、もしかして太っておられた?
先生 結構太っていたんですよ。八〇kgくらいありました。そこから一〇kgぐらいやせました。

 やくさんは、今の体重は?
やく 今朝、体重計にのって家人と大騒ぎになったんです。七一・六kgという人生マックスの体重になっているよって。
先生 身長はおいくつ?
やく 一m六八cmです。
先生 なら、目茶苦茶太ってはるわけではない。
やく けれど人生のマックス体重ですから。それで慄然(りつぜん)といたしました。これはやせなければと思って。以前に九kgやせた「実績」もありますので。
先生 やせるのは大変ですわ。我々のからだは太るのは易く、やせるのは難し、つまりきわめて太りやすくできてるんです。

 
食べるために生きている。生きるために食べるんやない

 
やく 太るのはとても簡単。
先生 私はいろいろなホルモンについての研究もしていますが、たとえばレプチンという、肥満になったときに脂肪細胞からたくさん分泌されるホルモンがあります。で、どんな働きをするかというと、基本的には脳に働いて「もう食べるな」という指令を出させるんです。

 遺伝子の突然変異でレプチンが働かなくなったマウスがいるのですが、どうなると思います。
やく 「食べるな」という指令がなくなるわけですから、当然のように、せっせと食べ続ける。
先生 そうですわ。

 その一方、グレリンという胃から分泌されるホルモンを例にとりましょう。お腹が減ると胃はグレリンを分泌して「食べろ」という指令を脳から出してもらいます。空腹になるとお腹がグルグル鳴るのもグレリンの作用なんです。では、このグレリンを出なくしたマウスはどうなると思います?
やく うーん。設問のウラを読むと、こちらもせっせと食べ続ける、でしょうか。
先生 正解ですわ。「食べろ」というグレリンによる指令を出せなくなってもマウスの食行動は何も変わらへん。ということは違う系統からの「食べろ」という指令がいくつも用意されているということです。

 つまり、我々のからだって、食べないように行動するのは難しいようにできてるんです。

 食べられんようにしてくれたらどんなに嬉しいやろ、とみんな言ってますけど、それは、まわりにいっぱい食べ物がある我々の今の世界の話であって、ほかの生物って、食べるものがいつもないというのが当たり前なわけです。そやから、生物には「食べろ」という命令を出す回路だけがたくさん用意されているわけです。

 私は、人間っていう生物も「食べるために生きている」というのが真実やと考えているんですね。
やく 生きるために食べるのではなく。
先生 逆ですわ。我々は、食べるために生きているんです。
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