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みんなとちがっていいんだよ
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エンタメ
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第1章 音楽と女装に目覚める

『みんなとちがっていいんだよ』
[著]ROLLY [発行]PHP研究所


読了目安時間:11分
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(さい)で音楽と出会う


 (ぼく)は歌をうたったり、お芝居(しばい)をしたり、ラジオで(しゃべ)ったり、こうやって本を書いたりしているけれど、基本的には音楽が本職。世間からは「ロック・ミュージシャン」と呼ばれている。

 キミにもきっと好きな曲があるだろうし、お気に入りのミュージシャンがいるんだろうね。

 (ぼく)は音楽への目覚めが異常に早くて、そのときのことは今でもはっきりと覚えている。せっかくなので、この機会にちょっと話してみよう。


 今から四十五年ほど前。当時の(ぼく)は自我もあまり目覚めておらず、トイレの(しつけ)もなされていなかったので、オムツをして、家の中をアヒルのようにへこへこと歩き回っていた。言葉も「あばばばば〜」とか「ママ〜」くらいしか発していなかったと思う(たぶん)。

 だがいっぽうでは、感受性の芽がすくすくと育っていてね。無自覚でありながらも、いろんなことに泣いたり笑ったりしていたような気がする。


 (ぼく)が住んでいた家の三軒隣(げんどなり)には銀行があって、夕方五時になると『赤とんぼ』(作詞:三木露風、作曲:山田耕作)のメロディーを流していたものだった。

 ちょうど日が暮れてきて、ああ、今日も一日が終わるなあ……なんてひとり過ごしていると、聞こえてくるんだ。
〈♪夕焼け小焼けの赤とんぼ ()われて見たのはいつの日か〜〉という、あのなんともせつないメロディーが。

 (ぼく)はまだオムツへこへこの(あか)(ぼう)だったから、それがどんな歌かなんてまったくわからなかったけれど、そのメロディーを()くと、とにかく無性に(さび)しい気持ちになったものさ。

 さらに夜も()けて九時になると、今度はわが家の仏間(ぶつま)でイベントが始まる。

 というのも、(ぼく)の兄は、(ぼく)が生まれる前に交通事故で亡くなっていてね、以来毎晩、母親は大きな仏壇(ぶつだん)の前で、お(きょう)をあげるのを習わしにしていたんだ。
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