心のストレスは身体に現れる
「身体と心はつながっている、または同一である」――このような考え方は、長い間西洋医学では異端とされてきました。心と病気は切り離され、化学療法による治療が主流を占め、病気の原因は極めて物理的な考えに基づいて考えられてきたのです。もちろん私たちが医学の進歩の恩恵を大いに受けていることは周知の通りです。
その一方で、たとえば医学を通して、自然物のひとつである人間のあり方について考え直してみようという流れが出てきました。人間が元来持っている治癒力を助け、発揮させるためにはどうしたらいいのか。そして、病気は心のあり方の一種の反映であるという見地に基づいて研究が進められてきたのが、ホリスティック医学です。
心理学のセッションの場面でわかったことですが、あるシーンになると咳き込むことがありました。それは私だけのことではなく、何人かの人の声が掠れ出したり、咳をしたり、咳払いを繰り返したりするのです。そのシーンというのは、「触れてほしくないこと」について直面するときであったり、本当の感情を吐露しなくてはいけない場面だったりします。逆に言うと、咳が出る“話題”には、その人の問題があるということです。