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涙のレシピ
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生き方・教養
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「泣くこと」から表れる人の価値観

『涙のレシピ』
[著]吉元由美 [発行]PHP研究所


読了目安時間:15分
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本当に涙を流しているのは誰?


 前項でも少し触れましたが、泣くことによって、立場が逆転することがあります。たとえば、会社などでミスをしたことに対して、上司がきつく注意します。そこで女性社員が泣いたら……。その図は、上司が女性社員をいじめているような印象に変わります。泣くことによって、たとえば加害者も若干被害者のように見える。涙には、物事の焦点をずらしてしまう要素があります。

 俳優は芝居の中で涙を流すことができます。役柄に入り込んでいることもあれば、かわいがっていた犬が死んだ日のことを思い出して泣いてみるという人もいます。誰でも、作為的に泣こうとすれば泣けるものです。

 ですから、私たちが他人の涙に接したとき、場合によってはその涙の本質の意味を考えなければならないことがあるかもしれません。極端な言い方をすれば、加害者と被害者は涙によって逆転するかに見えるし、被害者も泣くことによって必然以上の同情を集めることになるかもしれません。また、泣いていないからといって、その人の心が泣いていないのかというと、それはわかりません。泣いているからかわいそうなのでもなく、泣いていないからまだまだ大丈夫だとは限らない。自分の涙、他人の涙に接したとき、私たちには想像力が求められるのです。


涙は時として、人を騙す武器になる


 これまで、家族や友人の多くの涙を見てきました。心情を(おもんばか)れば、どの涙もその人の心に寄り添ってあげたい涙です。たとえそれが私に向けられた怒りの涙であろうと、悔しさをぶつける涙であろうと、こうして過ぎ去って思い起こしてみると、どの涙も受け入れられそうです。あのときはあれで仕方がなかった。人生には、そんな後悔にもあきらめにも似た受容が必要なときもあるのです。

 その一方で、涙に騙されたたということもあります。
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