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禅と脳 大脳生理学と宇宙物理学から「さとり」を科学する
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生き方・教養
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終 章 仏に近づく方法

『禅と脳 大脳生理学と宇宙物理学から「さとり」を科学する』
[著]中山正和 [発行]PHP研究所


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 一を聞いて十を知る


 また、『法華経』ですが、その方便品に「(じゆう)(によ)()」というのがあります。仏の成就したところは「難解之法」であって「唯仏与仏 乃能究尽 諸法実相」、ただ仏が仏に与えるので、(すなわ)()く諸法の実相を究めることを得る、という後に続くところです。



  (によ)()(そう) (によ)()(しよう)


  (によ)()(たい) (によ)()(りき) (によ)()()


  (によ)()(いん) (によ)()(えん) (によ)()() (によ)()(ほう)


  (によ)()(ほん)(まつ)()(ぎよう)(とう)



 説明の便宜上適当にちょん切ってありますが、「如是」は「是くの如く」で、ものごとを観測するにはこのようにしなさい、ということを述べています。すべての「問題」を解くことはまず「事実」を観測することから始まるのですが、その観測を十分にしているか? ということです。


 さて、第一に「相」、これはものの形、色、など、つまり姿です。それから「性」は性質、固さとか匂いとか。この二つはイヌだって見ています。


 第二の、「体」、「力」、「作」はそれぞれ「長さ」、「重さ」、「時間」と考えます。これは人間でないと観測できません。ものの長さ、面積、体積を知るには長さを測ればいい。力は重力、つまり重さです。その重いものを投げつけたらどういうことになるか、それには時間という因子がなくてはなりません。重い車でもゆっくりぶつかれば大したことはないが、速いと大怪我をします。


 ところで、物理学ではこの三つをそれぞれ「センチメートル」(cm)、「グラム」(g)、「秒」(sec)で表わし、これをcgs単位と名付けます。この三つを観測しますとそのものについての「運動方程式」というものが作れます。機械や道具の設計をするにはこの運動方程式が書けなくてはどうにもなりませんし、宇宙ロケットを飛ばすのだって同じことです。お釈さまはちゃんとお見透しだったのです。


 第三の「因」、「縁」、「果」、「報」は、「因果」「縁報」で、それぞれ、直接の原因とその結果、および、遠い原因とそれによる報い、ということです。大企業なんか「因果」の方は考えるようですが、「縁報」のことがおろそかになるから公害問題などということが起きてあとからその報いを受けなくてはならないことになります。


 以上のことには何の抵抗もないだろうと思います。論理的思考のできる人ならそうしているはずなので、もし、当面の問題が解けないというときには、そのことに関する観測に足りないところがなかったかどうかを反省してみればいいのです。


 茶道なんかには禅の思想がいたるところに入り込んでいますから、たしなみのある方には思い当たるところもあるはずです。ここまでの九如是はそのまま「お茶碗拝見」などの心がけになっていませんか?


 そこで、最後の「本末究竟等」ですが、「本末」は始めから終わりまでのこと、「究竟」とはつきつめて考えること。つまり、この九如是は、「つきつめて考えてみれば」皆「同じ」だということです。


 十を聞いて一しか分からなければバカ、十が分かればナミの人、一を聞いて十を知るのをアタマがいいという。そうなるためにはどうしたらいいのですか? それは修行をするより他に仕方がないのです。九如是を徹底的にマスターすれば、その膨大な経験が【イメージ記憶】に蓄積されるから、一目見れば全部分かってしまう、直観的判断ができるようになるのです。ベテランといいますが、そういう人に「どうしたら貴方のようになれますか?」と聞いたところでそれは「いわくいい難し」コトバでは答えてくれません。この心境を「唯仏与仏」、分かった人が分かった人にだけしか伝えることができない、「分かる奴には分かる」ということなのです。


   *

「生きがいがない」というのは日常のあらゆる問題について、その問題が解けないということでしょう? 問題が片っ端から解けさえすれば悩みなんかあるはずがない。

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