「社会的知能」と「感情的知能」
人は感情の生き物だ。
とくに強く意識しない限り、自分中心に甘く流される。
その厄介な感情をコントロールすることは、ほんとうにむずかしい。
たとえば、一流のサービス業を目指すなら、二つの知能を深く理解しなければならないと思う。
一つは、「社会的知能」だ。
これは、いつ何時であっても、相手の立場を考えたうえで行動する能力のこと。
自分の気持ちや感情を最優先にしていては、決してこの能力は身につかない。
つまりは、一流のサービスはできない。
もう一つは、「感情的知能」だ。
これは、出くわすそれぞれの場面によって、感情を適切にコントロールする能力のこと。
人はそれぞれ、その時々で感情が揺れる。自分に甘く、自分が一番かわいい。
しかし、その場面に対し、ひと呼吸置いてから言葉を発する、行動することを心がけると、その冷静さ(感情的知能)が目の前の人を喜ばせる能力を育む。
お釈迦様の教えに、「愛とは、(相手に)合わせること」とあるが、よくいったものだ。
「(相手に)合わせられる自分」……このことがいかに大切かは、サービス業を究めれば究めるほど、身に沁みてわかるようになる。