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人生は与えた分だけ与えられる
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生き方・教養
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第五章 天命経営

『人生は与えた分だけ与えられる』
[著]冨安徳久 [発行]PHP研究所


読了目安時間:16分
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二十五歳で店長の辞令を受ける


 二〇一二年七月七日、独立創業し経営者となってから、丸十五年が過ぎた。


 過ぎてしまえば、あっという間だと思えるが、重ねてきた一年、一年にはさまざまな苦難もあった。立ち上げ時から始まった業界からの圧力や嫌がらせ、無名がゆえの待てど暮らせど仕事がこない苦しみ、物件確保のための地主交渉や反対運動、葬儀や死のことを口に出せば非常識だ、不謹慎だ、と罵倒され敬遠される。信頼していた社員の裏切りや意思の疎通の足らなさに問題が露呈し、苦悩する日々……。


 そんな中、僕たちは確固たる信念を貫き、本気の覚悟で挑んできた。ブレない想いで、業界の常識を非常識と捉えながら、大胆に業界に一石を投じてきた。


 さらには、惚れ込んだこの仕事の社会性を向上させる次なるステージのために、コーポレートガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令遵守)に挑み、東海地区初の葬祭上場企業への体制づくりを行うなど、多くの障害や苦難や達成感や充実感が入り混じりながら重ねてきた一年、一年だ。


 しかし、その根底には「ブレない想い(消費者のための葬儀社を創る・葬儀業界の社会性を上げるなど)」とともに、「(熱意をもって、絶対に)諦めない経営者としての自分」への挑戦があった。


 いま日本には約二百七十万社の会社があるという。

 つまりは、約二百七十万人の「社長」が存在する。

 あくまでもこの数は「社長」という肩書の数だ。

 では、その中に「経営者」はどれだけいるのだろうか?


 たかだか十五年しか経営していないのに何がわかるんだ、といわれるかもしれないが、この章では、どんな時代であろうとも大切な、僕なりの経営者としての在り方を綴りたいと思う。

 それは、命の観点から日本人らしさにつながる経営者の在り方なのかもしれないと、僕は思っている。


 話は(さかのぼ)るが、いまから四半世紀以上も前、僕はサラリーマンとして二番目に勤めていた会社から辞令を受けた。

 それは、その会社の十店舗目の会館の店長任命という辞令だった。当時、僕はまだ二十五歳だった。

 父の病気のため、藤田先輩のいた会社(山口県)を数年で辞め、同業の地元(愛知県)の会社に転職したのだ。


 二番目の会社には、相談役という立場だったと思うが、若かりし僕のことを、何かと目にかけてくださった方がいた。


 僕は正式な辞令を受ける数日前に会社から内示を受けていた。その直後、その相談役に報告するため、彼の元に出向いた。


 年齢は間もなく七十歳に届くというのに、いつも背筋はピンとして、矍鑠(かくしやく)としている姿は、カッコよく素敵なジェントルマンだ。ロマンスグレーの髪がまたいい。

 日本語的にいえば、(いき)な紳士だ。

 彼の前に立つと、こちらまで自然と背筋が伸びる。

 僕のことを大学進学をやめてまで十代から葬儀ビジネスに身を投じた変わった若者と思って興味をもっていただけたのか、入社してから何かと気にかけてくださる彼のことを僕も好きになっていた。
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