読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1264285
0
人生は与えた分だけ与えられる
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第八章 三つの命

『人生は与えた分だけ与えられる』
[著]冨安徳久 [発行]PHP研究所


読了目安時間:9分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


最愛の父を亡くした日の出来事


 葬儀ビジネスに関わり、「命のつながり」を三十年以上も見続けてきた。

 二〇一二年二月十日、最愛の父を亡くし、身近な「命の最期」を目の当たりにもした。

 姉と弟と僕……三人の姉弟は、その悲しみを深く受け止めて、母とともに父の最期を見送った。


 唯一、「父の死」という同じ悲しみを心から共有できるのは、姉弟だということも知った。

 父が亡くなったその日、母と子どもである僕たち、父の兄弟たちが集まった病院の霊安室。三十年以上にわたりこの葬儀というビジネスに関わってきた僕は、ある意味、何度も遭遇した場面だ。


 しかし、その場面は……。

 大切な人をほんとうに失ったその場面は、途轍(とてつ)もない悲しみが覆い被さり、何も考えられなくなり、溢れる涙が思考を遮っているかのようだった。集まった親族の啜り泣く声に悲しみは一層増し、頭の中は真っ白な状態だった。

 仕事を通じて、数え切れないほど見てきた場面。

 客観的にそのデジャビュを見ているようでもあった。

 しかし、そう感じたのはその瞬間だけで、すぐに当事者である悲しみの深さにき消された。


 お迎えの搬送車両の到着とともに、淡々と進む作業が夢の中で行われているようだった。

 冷静に霊安室を出るまでの搬送業務を眺め見送ると、僕たちとともに集まった親戚たちは、実家へと向かうその搬送車両のあとをそれぞれの車に乗り込み追いかけた。


 そして、自宅に安置され、横たわる父の姿。


 その後、枕元の段取りが整えられると、わが社の葬儀担当スタッフとの打ち合わせが始まった。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:3422文字/本文:4077文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次