『30冊の本』
[著]山川紘矢
[著] 山川亜希子
[発行]PHP研究所
ジェームズ・レッドフィールド/角川書店、角川文庫
初版:一九九四年十月
『聖なる予言』は一九九四年三月以降、アメリカで最も話題になった本の一冊です。日本でも一九九四年から九五年にかけて、大評判になりました。これは著者ジェームズ・レッドフィールドが初めて書いた小説です。彼は自分の自己発見の過程を振り返って、それを九つの知恵にまとめました。そして著者自身と思われる小説の主人公がペルーで九つの知恵を一つひとつ発見し、悟ってゆくプロセスとして、冒険小説の形にして書きあげました。
意識の変革の過程をフィクションの形で著すことは当時としてはきわめて珍しく、アイディアに富んだ手法だったようです。精神世界にあまりなじみがない人にも読んでもらうために、サスペンスあり、ロマンスありの楽しんで読める冒険小説の形は、とてもよい方式でした。この作品の大成功の後、ジェームズはシリーズとして、『第十の予言』『第十一の予言』『第十二の予言』(二〇一一年十二月発売予定)を書いています。
ジェームズ・レッドフィールドは本書を出版する前の二十年間、人類の霊的な成長や可能性について興味を持ち、探求してきました。大学院では社会学修士とカウンセリングの教育学修士を修了し、感情障害を持つ青少年のためのセラピストとして、十五年間働いていました。