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カナダの教訓 超大国に屈しない外交
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政治・社会
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3章 自由貿易協定(FTA)成立の舞台裏

『カナダの教訓 超大国に屈しない外交』
[著]孫崎享 [発行]PHP研究所


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狼はいぜん戸口に立っている


 カナダにとって、アメリカ市場はきわめて重要である。次頁の表がアメリカ・カナダ自由貿易協定締結前のカナダのアメリカ市場への依存度を明快に示している。

 日本の対米依存は大きい。しかし輸出がGNPに占める割合は、一九八八年で九・三%、対米輸出のGNPに占める割合は三・四%である。この数字とカナダの数字を比較すれば、カナダ経済の対米依存度の大きさが明確になろう。


 アメリカ市場の確保は、カナダ産業にとり、死活的重要性を持つ。このアメリカ市場がしだいに保護主義的色彩を帯びてきた。不安になるカナダのアメリカ保護主義をみる目には真剣なものがある。カナダがアメリカの保護主義の台頭をどうみていたかをみてみたい。

 ここでも秀でた観察をしているのは駐米大使ゴトリーブである。ゴトリーブは八八年一月二八日、トロントで「アメリカ議会の変化と保護主義の台頭」と題して講演する。


 ・アメリカの保護主義はもう終った、(おおかみ)は去ったという人がいる。

 ・残念ながら、狼はいぜん、狼としての性格を変えることなく、戸口にいる。アメリカ保護主義は、いぜん健在である。決して短期間で消滅してしまうものではない。

 ・アメリカでは七九年の東京ラウンド終了後、自由貿易政策から保護貿易主義への移行が顕著になってきた。

 ・政策変更の第一の理由は、日本等の挑戦。これにより、アメリカの自信は揺らいだ。

 ・民主党がいぜん議会を支配しているが、民主党の基盤は、北西部、南部、マイノリティーグループである。これらグループが保護主義化している。

 ・アメリカの貿易悪化の主因は外国の不公平貿易慣行にあるのではない。工業分野で、アメリカの優位が失われつつあるという、マクロ経済からくるもの。アメリカの行政府、実業界、議会の指導者が、長期的視点に立ち、アメリカ経済を抜本的に解決しようとしている。しかし、議会全体としては、個別ないし特別の利害にきわめて敏感に反応している。個別事項の解決には、大所高所というより、小さい視点で解決がはかられることが多い。

 ・アメリカ議会において、長老制が崩壊し、議会の委員会、小委員会が権力を持ってきている。こうした場では、個別、特定の利害が自由に取り上げられる。

 ・行政府でも権力の分散化傾向が進み、特定利害で狭い範囲で物事が決められ始めた。
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