お金を稼ぐこと、お金を儲けることは悪いこと?
「先生、お金持ちになりたいと思うことは悪いことですか?」
カウンセリングに来られた相談者からこんな質問をされることがあります。
みなさんはどう思いますか?
私は、「お金持ちの人は悪い人ですか? そうではないですよね」と答えた後に、なぜそんな風に考えてしまったのかを尋ねます。
すると、ほとんどの人が、「なんか、お金は持ちすぎるとよくないとか、たくさん稼いでいる人は何かずるいことをしているんじゃないかと思って……」と言います。
きっと、自分の身近なところにそういうことを教えた人がいたり、悪いお金持ちの見本のようなドラマを観たりしたのでしょう。
詐欺や人にいやな思いをさせてお金を儲けたり、だましたり人の道義に反することをしてお金持ちになるのはよくないことです。でも、一生懸命に働いてお金持ちになりたいと思うのは素晴らしいことだと思います。
昔は成功者がその秘訣を教えるという習慣があまりありませんでした。たとえば飲食店にしても、どんな仕事も厳しい修業をしながら、親方の後ろ姿を見て覚えることが当たり前だったのです。
でも、今はどうでしょう。美味しく作るコツだったり、成功への考え方だったりを惜しみなく教えてくれる人がたくさんいますよね。
本もそうです。本屋さんに行けば成功哲学を教えてくれる本がたくさん並んでいます。ですから、「どんなお金持ちになりたいか」というのが、とても大事なのではないでしょうか。私の周りには魅力的な成功者がたくさんいます。
どんな風に魅力的かというと、自分が成功した話が相手にとって役に立つなら惜しみなく教えてくれたり、知恵を出してくれたりするのです。そして、人の幸せを自分のことのように喜んでいます。
素敵なお金持ちの人や成功者の人って世の中にはたくさんいます。そんな方の本を読んだり、講演を聴いたりしてみてください。たまには魅力的な映画を観たりするのもいいと思います。ずっと昔の映画ですが、私は『麗しのサブリナ』をよく観ます。オードリー・ヘプバーンもかわいらしくて好きですが、この映画に出てくる実業家のお兄さんの考え方が好きなのです。
「お金持ちになりたいな」と思ったら、まずは本などから、目標にする人を探してみるのもいいと思います。
この人! と思う人に巡りあえたら、真似から始めるのもいいでしょう。
もし、目標とする人が思い当たらなかったら、自分で理想の人を考え出してもいいのです。楽しみながら、「どんなお金持ちになりたいか」を考えてみてくださいね。
「お金持ち」という言葉に少し抵抗がある方は、「豊かになりたい」という言葉に置き換えてみるといいでしょう。
本当に「不況」? 冷静に見つめてみましょう
ここ数年、「不況」だという暗いニュースばかりが聞こえてきますが、そんなニュースばかり何度も流れては、いい気持ちにはなりませんよね。
ここで少し考えてみてください。
「本当に不況」なのでしょうか?
「不況」といういやな言葉に惑わされて、いつまでもマイナスの波動にあなたがあわせる必要はないのです。
私はお休みの日に東京にいると、たまに自分へのご褒美に某テーマパークの夢の世界に行きます(笑)。そこはいつ行っても笑顔と笑い声があふれていて、明るさがいっぱいです。
「世の中、どこが不況なの?」と思うくらい活況を呈していて、そこで学ぶこともいっぱいあります。
笑顔になれて、明るくて、自分にパワーを与えてくれる場所……、まさに「パワースポット」ですよね。
先日、「不況で困っています」とカウンセリングに来られた相談者に、某テーマパークの話をしました。
「先生がそこに行っているなんて、びっくりです。自分も昔は行っていたけれど、仕事をするようになってからは忙しくて行っていないんです」と言うので、たまには奥さんやお子さんを連れて行ってあげて、楽しんできてみてくださいとおすすめしました。
「忙しい、忙しい」と言いますが、お休みの日だってちゃんとあるのです。家でだらだらしたり、不安なことを考えたりしていても疲れがとれるわけではありませんから、たまには世の中の勉強に出かけてみるのもいいでしょう。
「忙しい」という字は「心を亡くす」と書きます。忙しいということのせいにするのではなく、仕事や売り上げにつながるようなことに時間をかけてみるのも大事ではないでしょうか。このご主人は一カ月後に、お子さんと奥さんとそのテーマパークに行ったそうです。
久しぶりのお出かけにみんな朝から笑顔で、その顔を見ただけでご主人は仕事の疲れがとれたそうです。そしてテーマパークに着いて、入場までの間、人の多さにびっくりしたと言います。入場料だけでも一人五千円ぐらいはかかります。中での食事やお土産も入れたら、軽く一万円はかかります。それにもかかわらず、こんなにもたくさんの人がいる……しかも、みんな楽しそうに笑っている。魅力のあるところには人は集まってくるのだとは分かっていたけれど。
果たして自分のお店に来てくれている人は、こんなにも笑顔でいるだろうか……。いや、それよりも、自分はここのスタッフみたいに笑顔で仕事をしているだろうか……。入場前にこんなことを考えながら並んでいたそうです。
このご主人、本当は仕事熱心でまじめな方なのです。だって、遊びに来ているのに、仕事のことばかり考えているのですから(笑)。
それなのに、「不況」という言葉に惑わされて、負のスパイラルから抜け出せずにいたのです。
人は、魅力のあるところに集まり、そういうところにお金を使いたいと思うのです。だから、「不況だ、不況だ」とばかり言っているよりも、人やお金が集まる豊かなところはどんなことをしているのか、どんな工夫をして人に喜ばれているのかと、プラスになることを学びに行ったほうがあなたの景気もよくなります。