読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1266378
0
すっきりわかる! 超訳「哲学用語」事典
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第四章 入試問題でも見かける漢字系の用語

『すっきりわかる! 超訳「哲学用語」事典』
[著]小川仁志 [発行]PHP研究所


読了目安時間:32分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


上部構造/下部構造
[超訳]社会制度/経済活動


 上部構造、下部構造というのは、マルクスが分析する社会の構造です。彼は下部構造が上部構造を規定すると主張します。つまりマルクスは、人間の思想や法、政治の制度などといった「上部構造」は、生産手段や生産活動といった「下部構造」によって決まってくると考えたのです。

 経済活動が「土台」となって、それによってすべての社会制度の中身が決まってくるというわけです。たとえば自由主義国家における社会制度は、資本主義という生産様式によって規定されるとします。それまでの哲学者たちが、思想や観念こそ経済のあり方を決定すると考えてきたのとは正反対の発想だといえます。

 こうしてマルクスは、生産力の向上により下部構造が発展すると、やがて革命が起き、上部構造も変化すると考えました。このようなメカニズムによって、歴史は進展していくというのです。これが唯物史観と呼ばれる彼の独特の歴史観です。

 具体的には、原始共産制から奴隷制へ、奴隷制から封建制へ、封建制から資本主義へ、そして最後は資本主義から社会主義、共産主義に至ると主張しました。


唯物史観(史的唯物論)
[超訳]経済が歴史を動かすとする説

《用例》
「政治も思想も法律も、結局はその時代の経済次第で決まってきたんだ」なんて、君は唯物史観に立っているわけだね。


 マルクスとエンゲルスによる独自の社会観あるいは歴史観のことをいいます。彼らは、社会や歴史の基礎をなすものとして、物質的生産活動を位置づけます。そのうえに法律や政治といった制度が成立していると考えます。

 したがって、生産力が生産性の向上によって生産関係にそぐわなくなった時、その矛盾を原動力として、歴史も次の段階へと進展すると考えたのです。具体的には、原始共産制、奴隷制、封建制、資本主義、社会主義、共産主義と展開していきます。たとえば、封建制から資本主義制への移行は、工場での生産によって資本の蓄積が生じたことによって起こったものです。そして資本主義は様々な矛盾を抱え始めます。

 その意味で、マルクスらによると、矛盾にあふれた資本主義は革命によって壊され、生産力に応じた社会へと移行していかざるを得ないのです。つまり次にくるのは、もはや能力に応じて働き、働きに応じて分配するという社会主義、あるいは能力に応じて働き、必要に応じて分配を受けるという共産主義にほかならないというわけです。

フリードリヒ・エンゲルス(1820−1895)。ドイツの思想家。思想的にも経済的にもマルクスを支援し、マルクス主義の確立に貢献した。著書に『反デューリング論』などがある。

構造主義
[超訳]何でも仕組みで考える立場

《用例》
木を見て森を見ずというが、物事は全体の構造に目を向けることではじめて理解できるものだ。今後ますますそういった構造主義的な視点が求められる。


 構造主義というのは、物事や現象の全体構造に目を向けることで、本質を探ろうとする思想です。一九六〇年代、文化人類学者のレヴィ=ストロースによって広められました。レヴィ=ストロースの基本的な発想は、現象の部分に理由を求めるのを止め、全体を構造として見ようとするものです。

 構造に目を向けた結果判明した事実として最も有名なのが、交叉(こうさ)イトコ婚の例です。未開の部族などに見られる、男性とその母方の交叉イトコの女性を結婚させる風習のことです。

 このような風習はいかにも未開な社会ならではのように思われていたのですが、レヴィ=ストロースは、このシステムの全体構造に目をやることで、ある発見をしました。それは、男系家族の男子にとって、母方の叔父の娘は別の家族集団に属している点です。ということは、この関係にある男女が結婚する仕組みにしておけば、常に異なる家族集団間で人の交換が行われ、部族の存続を図れるというわけです。

 つまり、未開だと思われた風習は、全体構造を見てみると、意外にも高度なシステムを形成していたのです。このように、構造主義は物の見方であり、思考の方法論であるといえます。レヴィ=ストロースは、構造主義の立場から、従来の偏った欧米中心主義を批判していきます。

実存主義
[超訳]自分で人生を切り開く生き方

《用例》
人生は人任せにしていては前に進めない。自分で道を切り開いていくしかない。特に今のような混迷の時代には、そういう実存主義的な態度が求められる。


 実存主義のはしりは、「主体性が真理である」として、ほかでもない「この私」が人生を作り上げていくと主張したキルケゴールの思想だといえます。ほかにも実存主義は色々な人が唱えていますが、共通していえることは、自分で人生を切り開く生き方を唱えている点です。ここではその典型ともいえるサルトルの思想を用いて説明したいと思います。

 サルトルによると、人間とはすでにある何らかの本質に支配された存在では決してなく、自分自身で切り開いていくべき実存的存在にほかならないということになります。彼はこれを「実存は本質に先立つ」と表現しました。実存というのは存在のことで、本質というのはあらかじめ決められた運命みたいなものです。

 サルトルはそれをペーパー・ナイフを例に説明しています。ペーパー・ナイフは、ある仕方でつくられる物体であると同時に、一方では一定の用途をもっています。だからこの場合、ペーパー・ナイフの本質は実存に先立っているのです。存在が限定されているといってもいいでしょう。

 ですから、ペーパー・ナイフのような作り方や用途のあらかじめ決まった存在は、本質が実存に先立っているのです。しかし、人間の場合は、「実存が本質に先立つ」というわけです。人間は最初は何でもない存在ですが、後になってはじめて人間になります。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:13229文字/本文:15594文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次