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(2021/11/26 追記)

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人生が開ける 戦国武将の言葉
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ルポ・エッセイ
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第1章 ビジネスの現場で活きる、戦う者の知恵

『人生が開ける 戦国武将の言葉』
[著]童門冬二 [発行]PHP研究所


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器用というのは、他人の思惑の逆に出ることだ。
織田信長 


 織田信長には信忠(のぶただ)という息子がいた。部下に、
「この頃の信忠はどうだ?」

 と訊くと、部下は、
「信忠さまはたいへん器用でございます」

 と答えた。
「どこが器用だ?」

 と訊くと、
「信忠さまは、訪ねて来られる方の気持ちをよくご存じで、その人間が欲しいと思う品物を与えていらっしゃいます。なかなか器用な方でございます」

 と言った。信長は笑った。
「他人が欲しがっている品物を与えるのは器用ではない。そういうのは逆に不器用というものだ。器用というのは、他人が欲しがってもいない品物を与える、つまり意表をつくような行為に出るのが器用というのだ。おまえたちも、信忠にそういう育て方をしてやってくれ。そうしなければ、合戦のときに役に立たない。ここは応援が来るかなと思う時に応援が来ず、ここは応援がなくても大丈夫だなというところに応援を出す。意表をついた作戦は、戦場ではいつも起こる。それに対応するには、ふだんからそういう心掛けを持たなければ駄目だ。だいたい、大将というのは、部下に胸の内を読まれるようではトップたる資格はない」

 と付け加えた。


組織人は、腰に帯びる刀脇差のごとくあれ。
高坂昌信 


 武田四天王の一人高坂昌信(こうさかまさのぶ)は言う。
「奉公人は常に腰に帯びる刀脇差のようでなければならない。せっかく刀を研いでも(さや)に入れないで抜身で歩けば、人を傷つける。また空気に晒され続ければ刀は腐蝕してしまう。逆に、大切な刀だからといって、鞘にしっかり納め、肝腎(かんじん)な時に抜けないようにしていれば、これもまた役に立たない。組織人は、常に刀の刃はよく磨いておくが、鞘に納める。しかしなにか起こった時は、すぐ鞘を払って使えるようにしておくことが肝腎だ。

 職場にあっても、ただ他人につっかかったり、口論喧嘩を好むようなのは、刀を抜身でさしているのと変わりはない。逆に、八方美人で何でも人の言うことに、はいはいと頷いて、自分というものを持たないのは、まったく研いでいない刀を、しっかり鞘に納めているのと同じだ」


その道のプロにならなければ情報は集まらない。
上杉謙信 


 上杉謙信は、情報を集めることにかけては武田信玄と同じように鋭い感覚を持っていた。

 謙信は、他国にスパイを派遣する時は、必ず商人に仕立てた。それも、越後特産の蝋燭(ろうそく)、金引、鮭の塩引、黄蘗紙(おうばくし)売りなどの商人に仕立てた。

 そして派遣したスパイからは、そこの国主の人望、人気、住む人々の人情、地理地形、産物、攻め口、兵力などをつぶさに調べさせた。

 しかし、調べさせる時に必ず、
「商人として専門家になれ」

 と言った。

 付け焼刃やメッキの商人では、必ず相手国に見破られると思ったからである。したがって、謙信が派遣するスパイは、商人としても一角(ひとかど)のプロだった。


後悔するような決断はするな。
小早川隆景 


 小早川隆景(こばやかわたかかげ)の同僚に黒田如水(じよすい)という武将がいた。決断力と情報のするどい分析力で有名だった。ある時この如水が隆景に訊いた。
「私は決断は早いが、後で後悔することが多い。みているとあなたはそういうことは少ない。なぜだろうか?」

 隆景はこう答えた。
「あなたは才智がはなはだ鋭く、一を聞いて十を知る。そこへいくと私は愚鈍で、一を聞いてもその一にひっかかる。決断する前には、長く思案をする。が、決断した時は思案に思案を重ねたうえのことなので、二度と後戻りをすることもない。同時に決めたことを後悔することもない」

 隆景は自分のやり方を、
「長く思案して、遅く決断する」

 そう言った。同時に、
「長く思案するとは、このことを行った時に、他人に対して果たして仁と愛が貫けるのだろうか、ということを物差しにする。仁愛の道に背くような決断は、決していい決断ではない。黒田殿が後悔なさるのも、おそらくいったん決められたことが、仁愛の道に違うのではないかという疑いが湧くからだろう」

 これを聞いた如水は、
「まさしくそのとおりだ」

 と頷いたという。


したいことをするな。嫌なことをしろ。
武田信玄 


 武田信玄は、暇があるとよく部下を集めて話をしたりきいたりした。ある時、「人間というのは、身分が高かろうと低かろうと、自分の身を保っていくために大切なことがひとつある。何だと思う?」と訊いた。

 部下たちは互いに顔を見合わせて、「ちょっと思い当たりません。
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