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松下幸之助に学ぶ人生論
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はじめに 七つの言葉に込められた謎

『松下幸之助に学ぶ人生論』
[著]飯田史彦 [発行]PHP研究所


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 本書を執筆するにあたり、私は著者として、「松下幸之助という経営者のことをほとんど知らない方々、それも企業人だけでなく、主婦や若者たちにも興味深くお読みいただけるような本」を目指して、「読み物としての面白さ」を最優先しました。

 もちろん、空想小説ではありませんので、幸之助さんの考え方の本質をきちんととらえながら、実在した人物に関する論考というマナーは踏み外さないように心がけます。しかし、単なる偉人伝を書くことが目的ではなく、題名の通りに「幸之助さんの発言から学ぶ人生論」ですから、あくまでも、「論者である私や読者である皆様が、人生や天命や宇宙について語った幸之助さんの発言を元にして、どのような想いを巡らせることができるだろうか」、という問題意識で書き進めます。

 したがって、本書の主座は幸之助さんにあるのではなく、論者である私と、読者である皆様にあります。そして、それこそが、幸之助さんの意図するところでもあるのだということを、ここでしっかりと確認しておきましょう。


 さて、いま、『松下幸之助発言集』全四五巻を読み終えた私の心には、幸之助さんが世の中の皆様にお伝えしたい想いを象徴するものとして、次の七つの発言が光り輝いて見えます。本書の導入として最適な、しかも同時に、本書の結論も兼ねていると言えるそれらの言葉を、七つの謎に見立てて、まずは知的な推理クイズ形式でご紹介しましょう。

 簡単にわかるものだけでなく、なかなか当てづらいものまで含まれていますが、伏せ字になっている部分に、どのような語句が当てはまるのか、おわかりいただけるでしょうか?


「第一の言葉」の謎



 今はまだ*に現われていないもの、*に見えないもの、そういうものがあるわけですな、非常に**なもので。そういうものをはっきりとつかまないといかん。ないものはつかめない。けれどもそうやなくてあるんだ。*には見えないけれども、大きな*があるんだ。それをつかまないといかん。

『松下幸之助発言集』(全四五巻)第四二巻三二四ページ一行目
昭和五十年(一九七五)十月一日、PHP研究所 運営方針発表懇談会(八十歳時)



「第二の言葉」の謎



 これは皆さんに申しあげると、「松下、失敬(しつけい)なことを言うな。そんなことは分かっているぞ」とおっしゃるかもしれませんが、一つの例を申しあげますと、われわれ人間には男には男として、女には女としての**というものが与えられているのであります。男は婦人に*をする、婦人は男子を*するという*を与えられていることを認識するのが、人間の本質の一部を認識することであります。


 年を()れば**というものが芽生えてくるということは、人間の本質上そうなっているのであります。そこで男女が寄って*を語るということになるのでございますが、この*というものをいろいろ処理しなければならない場合が起こると思います。その処理する場合にあたりまして、この*というものは、その人の*的なものであるか、*的なものであるか、ということです。これは私は、たいへん面白いというと語弊(ごへい)がありますが、慎重(しんちよう)な考慮をせねばならないと思うのであります。両者が*をしている、その**の処理ということにつきましては、これは**が人間に与えられたものであるということを認識しているのと、自分勝手な**だという考えをもっているのとでは、おのおのその処理策が違ってくる。


 *的にものを見るか、*的に見るかによって、はっきり差異が生じてくるといえると思うのです。そこで私は、これを*的なものとして見るのであります。**は*のものだというのであります。そこからものの判定といいますか、そういうものが出てくる。これは*だけではありません。お互いがもつ*命といいますか、仕事につきましても同じ線をたどるのであります。

『松下幸之助発言集』(全四五巻)第三六巻三九二ページ七行目
昭和二十三年(一九四八)十一月三日、PHP運動二周年記念講演会(五十三歳時)


「第三の言葉」の謎



 いずれにしろ、この宇宙の基本的な*、万物の根源的な*をわれわれははっきりと認識して、それを中心として、日常の生活の上にすべてを組み立てていかなければならないのであります。私どもは生活、生活と言っていますが、その基盤は、この*によって支えられており、これに感謝するところから、現実の生活を(あやま)ちなく進められていくと考えるのであります。


 ところで、いかなる説といえども*説なのです。科学の原理も一応はみな*説であります。一応定めた説で宇宙の神秘を解いていって、時代の人々が納得できるあいだは、それは*理だと信ずるのです。しかし行きづまったり、またより広く事実を証明できる新しい発見が生まれると、それが代わって*理となるのであります。

 *というものが存在する、ということも*説なのです。実際は分かりません。なぜ*説が必要かといいますと、人間の繁栄生活に役立つもの、必要なものは*説として認めればよい、それを信ずることによって繁栄がもたらされるならば*説でもよいと思います。今までの仏法も*説であります。そしてそこから人間の現実の生活が繁栄になってくるわけです。反対に繁栄が(こわ)されてくるようであれば、それを捨てて新しいよりどころを見いださねばなりません。そうしてこの新しい*説で人間生活が繁栄すればよいのであります。つまり繁栄をもたらすものが、*理だと考えてよいと思います。

『松下幸之助発言集』(全四五巻)第三七巻二六六ページ八行目
昭和二十五年(一九五〇)五月、「PHPのことば その二九」(五十五歳時)


「第四の言葉」の謎



 その後商売して非常に不景気になったり、その他いろいろなことがありましたが、そういうときにいつも、それは自分の**であってしかたがない、結局自分はこういう立場に立っているのだから、これ以上何も考える必要はない、きょう一日を充実していったらそれでいいんだ、という考え方が無意識のうちにあった。だからそういう場合にも、ひとつもうろたえずにやっていけたのだと思います。そして、何がいちばん正しい道かということを考えて、私は私なりに、これはいい道だと思うことを、そのとおりにやっていった。そういうふうなことで、いつとはなしに今日に来たわけであります。


 そのように考えてみますと、私が今日まで来たのは、一つは、私にそういう素質というか**があったんだということを今、素直に認めているのです。しかしその上に、私は世間でいう不幸な境涯(きようがい)というようなことにとらわれなかったということであると思います。

 つまり、自分の境涯は不幸であるがゆえに、いろんなことが体験できるんだ。人が遊んでいるときに自分は()き掃除をしなければならない。しかし、拭き掃除するというところに、いいしれない人生の教訓が含まれている。それが知らず識らずのあいだに自分の身についている。そのころには、いま言ったような解釈なり理解をもっていなかったと思いますが、今にしてみると、それが人生体験であり、一つの教訓として身についていったということであると思います。それが積み重なっていって、ある大事にぶつかった場合に、これはこうやっていけばいいとか、ああすればいいとか、自然に処置ができるようになってきたのだと思います。

『松下幸之助発言集』(全四五巻)第一一巻八五ページ四行目
昭和三十七年(一九六二)五月八日、慶應義塾大学 特別講演会(六十七歳時)


「第五の言葉」の謎



 見方によれば、非常にいい時代に生まれたともいえるのではないかと思います。私自身、まだ生きていてよかったと思います。これはほんとうに生きた**ですよ。歌舞伎(かぶき)だとか、そういう**を金出して見て、「ああ面白(おもしろ)いなあ、役者はうまいことやりよるなあ」と言ってわれわれは鑑賞しています。しかし今、この世の中は、ほんとうに生きた**です。われわれは俳優で、主人公そのものである。今そういう**をしていると思わないといかん。そういう自分というものを考えてみると、千載一遇(せんざいいちぐう)の好機に生まれたものやと思っていいと思うんですね。お互いが、過去何千億人のだれよりも恵まれた時代に生を得たことを喜んで、名優としての**をうたないといかんということであります。

『松下幸之助発言集』(全四五巻)第五巻三八四ページ六行目
昭和五十年(一九七五)七月四日、東京電力労働組合 東電労組第二〇回大会記念文化講演会(八十歳時)


「第六の言葉」の謎



 この世のことは理屈で割り切れないこともたくさんあります。そういうこともさらに世が進歩しますと、割り切れるようになるかもしれませんが、今のところは割り切れないものがたくさんある。そういう理屈で割り切れないものが成り立つということから、理屈では説明できない一つの*、大きな*というものがそこに力強く働いているということを感知(かんち)するということになるのであります。


 皆さんが松下電器にこうして入社してくださったということも、私は一面にそういう両者のあいだに強い*があって、それで結ばれたんだと考えてみてはどうか。理屈以外である、いいかえますと、そういう**をもっているんだ、諸君は松下電器に社員として入り、そして社員として社会人として、社会に活動するというような**をもっておるんだ、こういうように私は考えられるとも思うのであります。

 そうでありますから、私は、お互いに一面非常に強い結びつきをもっていると思います。そういう**をもっておるんだ、理屈やない、諸君が松下へ入ったということは**のしからしむるところである。“えらい旧式なこと言うな”と皆さんは思うかもしれないけれども、私はまじめに、皆さんを迎えることは**だという考えをもっているんです。

 皆さんを十分に試験し考査(こうさ)して、この人は理想的な社員になられる人だと思って、松下電器が採用したのであります。しかしそうは思うものの、全部が全部そうかというと、私はそうもいかない方々もあろうかと思うんです。

 皆さんは、まあ松下へ入って誠実に働いて、社会のため国家のため、また会社のために努力しようという決意をもっておられましょうけれども、そのうちにはそういう決意もだんだん薄らいできて、好ましからざる社員というような傾向になる人も、なかにはあると思うんです。“ああ困ったな”と会社が思う人も、皆さんのうちには一人や二人はでるかもしれない。


 しかし、それはいま申しましたように、かりにそういう人がでても、“それは**だ。会社のもつ**だ。だからその**に従ってその人を許容(きよよう)していこう”こういうような考えを会社もやはりもつべきだと思うんです。それと同じように、皆さんもいい会社と思って入ったけれども、全部が全部、いいことずくめではない。なかに気に入らん点もあるし、面白からざる点もある。けれどもこれがやはりおれの**だ、だからある程度これを許していこう、そして協力していこうというように考える。

 そういうように考えますと、会社も、皆さんの中から好ましからざる人が出ても、温かい心をもって終始その人に接することができるし、皆さんのほうも面白くない会社だと思っても、誠意をもって会社を見守っていこうということになっていくだろうと思うのです。そういうように結ばれた*、結ばれた**というものに立脚して、心を広く物事を考えてみますと、辛抱(しんぼう)のできないことでも辛抱をする、お互いに許しにくいことでも許しあおうという気になってくる。そこにほんとうの結合というものが生まれてきて、相互の力というものは倍となり、三倍となり四倍となって私は働くものだと思うのです。

『松下幸之助発言集』(全四五巻)第三二巻二七一ページ一四行目
昭和三十七年(一九六二)四月三日、松下電器 新入社員導入教育(六十七歳時)


「第七の言葉」の謎



 人間の幸福についてですか。それはむずかしい問題ですな。どういうもんでしょうな、人間の幸福というものは。完全にはお答えできませんが、二つの見方があると思いますね。

 一つは、**的に幸福だと考えること、一つは、**的に幸福だと考えることです。これが一致することが、まず幸福と考えていいでしょうね。というのは、人によって幸福観が違いますし、また**的に見て、あの人は幸福であるということも、これまた大事な問題でしょうしね。ですからその二つが一致した姿に、だいたいの幸福というものが考えられると思うんです。それ以上のことは、ちょっと、簡単にはお答えできかねますね。

『松下幸之助発言集』(全四五巻)第二巻一〇四ページ五行目
昭和三十八年(一九六三)十一月八日、東海銀行経営相談所 経営講演会(六十八歳時)



 ……いかがでしたか?

 伏せ字の部分にどのような語句が入るのか、推理していただけましたでしょうか?


 これらの大切な謎の答えは、本書のどこかに、いずれ必ず登場してきます。まるで、ハリー・ポッターやインディ・ジョーンズのような冒険家になった気持ちで、あるいは、シャーロック・ホームズやコナンのような名探偵になった気分で、どこにどのような答えが隠されているのかを、探し出してみてくださいね!
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