読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
150
kiji
0
0
1267796
0
うつ病は軽症のうちに治す!
2
0
0
0
0
0
0
くらし
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第五章 うつ病をどう治すか(1)――抗うつ薬の効果とリスク

『うつ病は軽症のうちに治す!』
[著]和田秀樹 [発行]PHP研究所


読了目安時間:18分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


うつ病治療の基本は抗うつ薬


 抗うつ薬を使った薬物療法は、うつ病治療の中核です。

 抗うつ薬は、一九五〇年代に開発されました。まず、ローランド・クーンがイミプラミンという名前の抗うつ薬を開発し、同じころに、モノアミン酸化酵素阻害剤という抗うつ薬もつくられました。次いで、一九六一年には、アミトリプチリンという薬が開発され、これはかなりのヒットとなりました。六〇年代からは抗うつ薬が盛んにつくられるようになり、治療現場で用いられるようになったのです。

 こうした初期の抗うつ薬は「三環系抗うつ薬(TCA、Tricyclic Antidepressants)」というタイプの薬であり、「第一世代」と呼ばれています。

 三環系抗うつ薬が開発されるまでは、うつ病に効く薬はありませんでした。うつ病の治療は、不安を取り除くといった、環境調整による自然治癒的なものでした。長いあいだ、「うつ病に効く薬はない」とされた時代が続いてきたため、「三環系抗うつ薬」の登場は、非常に画期的なことでした。

 日本では、モノアミン酸化酵素阻害剤は副作用が大きいと考えられたためにほとんど使われませんでしたが、他の三環系抗うつ薬は臨床現場でよく使われるようになりました。現在でも、症状によっては三環系抗うつ薬が使われています。

 抗うつ薬は、不足した脳内の神経伝達物質を増やし、情報の伝達を良くすることで、うつ状態を回復させていくというメカニズムのものです。神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンは、モノアミンと呼ばれます。

 脳内にはモノアミン酸化酵素があり、モノアミンを分解してしまうため、モノアミン酸化酵素の働きを阻害してモノアミンの減少を防ぐ役割を果たすのが「モノアミン酸化酵素阻害剤」です。モノアミン酸化酵素を阻害しますから、脳内で、セロトニン、ノルアドレナリンなどモノアミンが増加します。

 イミプラミン、アミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬も、セロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミンを増加させる働きをします。

 こうしたモノアミンの増加によって、神経細胞が働くようになって、うつ状態が回復していきます。

三環系抗うつ薬の副作用とは?


 三環系抗うつ薬は画期的な薬でしたが、抗コリン作用という副作用を持っています。アセチルコリン受容体を阻害するため、抗コリン作用として、のどの渇き、便秘、排尿困難、眼圧上昇などの副作用が起こります。

 高齢者の場合は、便秘がひどくなったりすることがありますので注意が必要ですし、緑内障がある高齢者の場合は眼圧を上げることが危険なため、抗コリン作用を持つ三環系抗うつ薬は使えませんでした。

 抗うつ薬の主な副作用については、一覧を次に掲載しましたが(浦部晶夫・島田和幸・川合眞一編集『今日の治療薬2013 解説と便覧』南江堂を参考に作成)、次のようなものがあります。


 抗コリン作用(口渇、便秘、排尿困難、眼圧上昇など)

 胃腸症状

 過鎮静

 不眠・焦燥

 性機能障害

 起立性低血圧

 体重増加

 過量での致死性


 三環系抗うつ薬の副作用の欄を見ていただくと、「+」の表示が多く、様々なタイプの副作用があることがわかります。
「過鎮静」というのは、鎮静効果が大きすぎて眠くなってしまうことです。一般的には、抗うつ薬を飲むと元気になるというイメージがあるかもしれませんが、三環系抗うつ薬の場合は、薬を飲むとかなり強い眠気が出ることも多いのです。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:7506文字/本文:8935文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次