非現実的なほど高い期待をする
神経症者は、「ありのままのあなた」を認めない。
神経症者自身は、あなたに、こうあってほしいという存在であることを要求する。
それは、非現実的な期待である。
非現実的なほど高い期待のプレッシャーの中で育った人にとって、やさしさとは、現実の自分を認めてくれることである。
小さいころから、周囲の人に不可能なことを要求されて、それを実現しなければ見捨てられるという恐怖感の中で育った人にとって、やさしい人というのは、ありのままの姿を見せても、それを許してくれる人である。
神経症者は相手に不可能を要求する、とシーベリーは言う。
つまり神経症的傾向の強い人は、「実際の相手」を認めないということである。
「やさしさとは、相手をそのまま、うけいれるということではなかろうか。
その人といると、自分を大きく見せるために緊張することもない。
自分が強く優れていなくても、その人から見捨てられる恐れも感じない。