相手との関係を間違えない
相手が苦しんでいるときの決まりきった励ましの言葉がある。
たとえば、「大丈夫、心配しなくても」という言葉も、すばらしい励ましの言葉である。
私自身はあるとき、この言葉に励まされた。
そこで、この言葉をそのままタイトルにした本を書いた。
しかし、その見本をテスト販売してみたところ、良い結果が出ず、結局、別のタイトルに変更することになってしまった。
つまり、この言葉は、一般的に匿名で言われたら意味がないということである。
私がこの言葉に励まされたのは、信頼している人から言われたからである。
このタイトルをつけたときには、それに気がつかなかった。
この言葉は、信頼していない人から言われたら腹が立つ。
「おまえなんかにオレの苦境がわかるか」という気持ちになる。
あるいは、「何も事情を知らないで無責任なことを言うな」と腹が立つかもしれない。
自分が苦しいとき、辛いときに、奮い立たせてくれる言葉をだれかから言われる。
そこで今度は、落ち込んでいる人にその言葉を言う。
しかし、逆効果ということもある。
何よりも自分と相手との関係が問題である。
とにかく、励ますときには、相手と自分との関係を間違えてはいけない。