自己蔑視する人は、ほんとうはすばらしい人
自己蔑視は愛する能力を奪う、とカレン・ホルナイは言っている。これは重大な指摘である。
人は成功するから満足するのではない。幸せと感じるから満足するのである。
そして、満足するからやさしくなれる。
やさしくなるためには満足していなければならない。
では、幸せと感じるためには何が条件か?
それは、人を愛することである。
家族であれ、恋人であれ、友人であれ、部下であれ、先輩であれ、だれでもよい。
人を愛することが、幸せになるための条件である。
人が幸せになるためには、人を愛する能力を持っていなければならない。
その愛する能力を奪うのが、自己蔑視である。
幼児期、少年少女期に愛された人には、自己蔑視はない。
しかし、親も人間である以上、完全に愛された人などいないと考えてよい。
つまり、人は多かれ少なかれ、そうした感情を持っている。
そこで、人がまず努力すべきは、自己蔑視の克服である。
おかしな言い方であるが、自己蔑視している人は、多くの場合、自己蔑視という点を除けばすばらしい人である。
まず何よりも、とにかく努力している。