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(2021/11/26 追記)

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35年間の取材生活から編み出した 「情報整理」プロの離れ業
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ビジネス
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第6章 賢い主婦は家事上手〈家庭の整理法〉

『35年間の取材生活から編み出した 「情報整理」プロの離れ業』
[著]長崎快宏 [発行]PHP研究所


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【思考がポイントになる家庭の整理】

 日本の主婦は世界一と言われるが、はたしてそうだろうか。確かに、料理の腕前や家計のやりくりは上手だが、育児や家事がキチンとできるかというと、それは疑問だ。日本の主婦は、夫や子どもにかいがいしく世話を焼くが、これは(しつけ)ができていないからだ、と私は思う。それが、本章で述べたいことのポイントになる。

 私は、海外取材の合間を見つけては、ケチケチ旅行中に知り合った昔の友人を訪れるが、不意の訪問にもかかわらず、どの家庭も部屋がきれいに整理されているのには感心させられる。欧米でも中東でもアジアでも、だ。これは一体どうしたことか。

 日本の主婦の多くは、自らをきれい好きと自任しているが、思い違いもはなはだしい。掃除・洗濯に神経質ではあるが、整理整頓にはまったくといっていいほどの無頓着ぶりである。モノがあふれかえりカラーバランスの悪い部屋のどこに、住人は「くつろぎ」を見出せるのだろうか。

 日本の家庭がどうしてこうなったのか、私は答えを持っている。主婦ばかりでなく、男性にもよーく読んでもらい、家事上手になってほしい。

 家庭の整理は、技術よりも、多分に思考に頼る部分が多い。他の章よりも面白みに欠けるが、心して読んでいただきたい。


1 主婦がいなくても困らない家庭作りを

◆家族に独立心を育てるのがよいお母さん


 お母さんがいないと家のコトがチンプンカンプンという家庭が多い。一見、よいお母さんに見えるが、これほど無能な主婦はいないだろう。日本の主婦は、夫のファッションコーディネーターからホワイトデーのお返しまでこなすスーパーウーマンだ。子どもには、夫以上に気遣う「超世話焼きママ」ぶりで、わが子のわがままを助長しては「私って、なんてよい母親なの」と一人悦に入るバカ主婦ぶりである。

 こんな調子では、家族はいつまでたっても「お母さん離れ」はしない。これで本当によいのか。こんな調子では、お母さんも家族もお互いに疲れるだけだ。

 欧米人が考える理想の主婦とは、「お母さんがいなくても困らない家庭」を築くことができる女性を指す。日本人の「私がいないと家族はなにもできないのよ」とは正反対である。

 主婦不在で困らない家庭を作るには、二つの条件をクリアすればよい。

 まず、家事をシステム化すること。どこになにがあるかをリストアップして誰にでもわかるようにし、とっさのときにはどう対処すればよいかをマニュアル化し、書類や領収証を検索しやすくファイリングする。また、家事の週間・月間スケジュール表を作って、曜日ごとに違う場所を掃除するなど、家事を「労働」から「システム」に変える。

 次に、家族の躾。主に、一人ひとりが「自立」できるように仕込むこと。夫たるもの、たまにはファッション雑誌を見て流行の勉強をし、服装ぐらいは自分で選びたいもの。逆に子どもは、色気づいてオシャレばかりに熱中せず、簡単な家事を手伝いなさい。男が炊事洗濯をしてはいけないという規則はどこにもない。むしろ、このくらいのコトができないと、日常生活に不自由するぞ。

 主婦が平気で家を空けられるのは、家族を信頼しているからにほかならない。夫も子どもも、自分がいなくても機能するように教育し、イザというときに困らないようなシステムを構築すればなんの心配もない。この揺るぎない自信があるから、悠々と外出できるのである。こういう家庭に育った子どもは幸せだ。マナーがよいから、どこでも好感を持って迎えられるだろう。

 話は脱線するが、ドイツ家庭の「家族のつき合い方」をお話ししたい。ミュンヘンの旧友を訪ねたとき、彼のお父さんが入居する老人ホームへお見舞いに行った。私の顔を見ると起き上がろうとするが、高齢で身体がままならない。だが、家族も看護士もすぐには手を貸そうとしない。力をふりしぼって身体を起こしたときには、額にうっすらと汗がにじみ出ていた。

 私の「そこまでしなくても」という思いを察して、すかさず看護士は「なるべく自分の力でやるよう見守り、ギリギリまで私たちは手を貸しません」と言い、「手を貸すのは簡単ですけど、そうしたら自力でやろうという気力が萎えます。少しでも動けるうちは、それを維持できるように努力させるのも私たちの仕事です」と続けた。このとき、これが噂に聞いたドイツ人の躾の厳しさか、と思い知った。

ドイツでは主婦不在でも家事が機能するよう躾けてある

◆躾こそ最大の財産だ


 いつの頃からか、日本の親は子どもを躾ける義務を放棄してしまった。昔は、娘の嫁入りのために、日本舞踊や華道などのお稽古事を習わせて「日本の作法」を持参させた。目に見えないが、なんと優雅な嫁入り道具だろう。

 日本の伝統作法は、行儀のよさにある。例えば、オープンカフェで、ナイスバディーの美女がコーヒーカップを片手で持ちながら人波を眺める姿と、隣の席の日本舞踊の心得がありそうな地味なOLの本のページをめくる姿のどちらに魅力を感じるだろうか。

 パッと見には前者だが、その魅力は長続きしないだろう。ただ単に外観の美しさに惹かれるだけだからだ。一方、日本舞踊の心得がある人は、膝に置く手の仕草や指先まで行き届いた神経の細かさに、内面からにじみ出る美しさや色気を感じるはずだ。昔の日本は、どこの家庭もこういう躾をしていたのだが、経済成長によるうわべの豊かさに目がくらみ、伝統を失ってしまったのは残念だ。

 ドイツの家庭では、子どもが成長(中学生ぐらい)して手がかからなくなると、夫婦そろって短期旅行に出たり、不意に友人宅へ泊まりに行ったりするが、子どもも慣れた様子でうろたえたりはしない。

 というのも、子どもは日頃から、学校のキャンプや寮生活(大学進学生は中学から七〜九年間の合宿)で集団生活に慣れているせいもある。お母さんはわが子が困らないように、男子でも衣服の洗濯やアイロンがけ、簡単な料理などを教え、親元を離れても困らないように躾が行き届いているからである。
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